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久遠の神話
第十九話 高代の力その十一

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「力の性質じゃなくて」
「その力を使う剣士の強弱、それにです」
「戦術だな」
「はい、戦い方です」
 そうしたものが重要になってくるというのだ。
 その話をしてだ。中田はだ。
 自分のバイクに向かいながらだ。声とさらに話すのだった。
「面白いな」
「面白いですか」
「火が水に。その強弱で勝てて」
「無論相性はあるにしても」
 それでもだというのだ。声も話す。
「そして戦術次第で」
「勝てるんだな」
「その通りです」
「だから面白いな。俺はこう見えても頭使う戦いは嫌いじゃないんだよ」
「だから戦術についてもですか」
「興味がある。それにな」
「それにですか」
「好きだな」
 そうでもあるというのだ。
「中々面白いな、そうした戦い自体は」
「しかしそれでもですか」
「俺も正直なところな」
 どうかというのだ。中田はだ。
 複雑な顔になってだ。そうして言ったのである。
「戦わないに越したことはないさ」
「相手を殺めることはですか」
「甘いか?実はそういうのは嫌いじゃないんだよ」
 幾分だ。顔を曇らせて声に話す。
「どうしてもな。それでな」
「それでなのですか」
「上城君にしても他の剣士の連中にしてもな」
「戦わずにですね」
「戦いから降りて欲しいな。剣士は途中離脱もできるんだよな」
「はい、そうした剣士も過去に数多いです」
 そうだとだ。声も中田に話す。
「無論それは貴方にも言えます」
「俺は降りないさ。それでもな」
「それでもですね」
「戦うさ。命がかかってるからな」
「だからこそですか」
「俺はやるさ」
 また言う中田だった。その話をしてからだ。
 彼はバイク、自分の乗るそのワルキューレのところに来てだ。ヘルメットを取り出してだ。
 それを被りバイクに跨ってからだ。彼は言うのだった。
「じゃあ家に帰る前にな」
「その前に?」
「スーパーに寄るさ」
「スーパーですか」
「どういった場所かは知ってるよな」
「市場ですね」
 それだとだ。声は言うのだった。
「それですね」
「まあ市場っていうかな」
 首を捻りつつ、ヘルメットを被ったそれをそうしつつ述べる中田だった。
「あれだな」
「市場の中にお店が幾つもある」
「まあそんな感じだな」
「そこに行かれるのですね」
「そこで夕飯の材料買ってな」
 そうしてからだとだ。中田はバイクに乗りつつ声にまた述べた。
「自分で作って食うからな」
「わかりました。ではそうされてですか」
「あんたとも今日はお別れだな」
「そうですね。今日はですね」
「また今度な」
 自分から別れを告げる中田だった。
「世話にならせてもらうぜ」
「お話できることなら何でも」
 話すとだ。声も言う。
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