第20話
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なら樹形図の設計者が、その実験が続行不可能という結果を出せばどうなるだろう?
美琴の狙いはそこだった。
この学園都市の学者は樹形図の設計者の演算に絶対の信頼を寄せている。
それを逆手に取り樹形図の設計者に嘘の予言を言わせ、実験を中止させるつもりなのだ。
美琴は警戒システムを電撃で誤作動を起こさせ、中に侵入するがそこである異変に気付いた。
人の気配が全くないのだ
この施設は学園都市の頭脳と交信できる最重要機密施設だ。
それなのに心臓部の交信室まで、ものけのからだった。
デスクには埃がかなり溜まっており放棄されたのは昨日今日の話ではないと分かる。
とりあえず美琴はデータベースにハッキングすると、そこである報告書を見て全ての希望が失われた。
「樹形図の設計者は正体不明の高熱源体の直撃を受け大破したものと判明。」
七月二八日に正体不明の高熱源体が直撃した樹形図の設計者は、完全に破壊されていたのだ。
その事実を知った美琴は、施設を出ていきふらふらと歩いていた。
樹形図の設計者が壊されたことで最後の一手が失われた。
そして、樹形図の設計者が無くなろうとも実験は計画通り続けられているという事だ。
ふと、美琴の横に地図の看板があった。
前に引き継ぎ先の施設の一つがこの辺りである事を思い出す。
「ハハ。」
迷う事はなかった。
美琴は施設を襲撃した。
自身の電撃をフルに使い施設を破壊していく。
(そうよ、まだ終わった訳じゃない。
全部潰してしまえばいい、今あるものこれから引き継ぐものぜんぶ!!)
全てを破壊する覚悟を決めた時だった。
「お前、こんな所で何しているんだ。」
え?と美琴は聞き慣れた声が後ろから聞こえ振り返る。
そこに麻生恭介が立っていた。
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