第20話
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この時もあの時のように「妹達」が殺されている。
そう考えると吐き気が出てきた。
違う、と美琴は思った。
(私が殺したんだ。)
そして目の前にいる御坂妹も殺される、そう思うとさっきよりも吐き気が出てきた。
「お姉さま?どうかされましたか?」
御坂妹にお姉さま、と呼ばれその声がその姿が美琴を追い詰めていく。
「やめてよ。
その声で、その姿で、もう・・・私の前に現れないで・・・」
自分は何を言っているか分からなかった。
気付いた時には御坂妹はどこかへ立ち去っていた。
そして、自分が何を言ったのかようやく気付き近くにあった街灯を殴る。
「最っ低だ。」
美琴は近くの公衆電話から実験の事について調べていた。
すると研究は中止されておらずまだ続いていることが分かった。
そして、その引き継ぎ先の研究施設の数は一八三施設だった。
美琴は何がどうなっているか分からなかった。
そして気づいた。
自分が相手にしているのがどれほど巨大な物なのかを。
この学園都市の中は衛星とカメラで常に監視されている。
あの非人道的な実験が野外で行われているのに学園都市の上層部は気づいている筈だ。
なのに実験は続いている。
この意味は学園都市そのものが敵である事を示していた。
そして美琴は考えた、こんなくだらない実験を確実に止める方法を。
そして次の日の夕方、ある事を決心する。
「おっすー、そっちも補習か?ビリビリ中学生。」
「ああ、アンタか。
今は疲れているし残った体力も温存しときたいから、ビリビリは勘弁しといてやるわ。」
上条を追い払うようにしっしっと手で追い払う。
上条は美琴の周りを見渡して言った。
「今日は妹は一緒じゃないのか?
昨日、ジュース運んでもらったから礼とかしときたいんだけど。」
「アンタ、またあの子と会ったの!?」
「へ?いけなかった?」
美琴と上条の会話を遮るかのように空から声が聞こえた。
空には飛行船が飛んでおり「樹形図の設計者」の予言が発表される。
その予言を聞いて美琴は言った。
「私、あの飛行船って嫌いなのよね。」
「何でだよ?」
「機械が決めた政策に人間が従ってるからよ。」
上条と別れた美琴はバスに乗り第二三学区の宇宙開発エリアに向かっていた。
そしてある計画を実行する。
この宇宙開発エリアは樹形図の設計者の情報を送受信している施設がある。
研究施設が一八三もあれば一つ一つ破壊していっても同じ様に引き継ぎされるだろう。
だが、美琴が調べた情報によればそもそもこの実験は、樹形図の設計者を使って計画された物だった。
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