第十六話 柴犬その十四
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「カレーはキャンプ等でも作るがな」
「ですよね、どうしても」
「それは」
「今度本当に聖花ちゃんとカツサンド作ろうと思ってますけれど」
「野性の中じゃとても」
「そういうことだ。少なくとも君達は飾っていない」
文明に対してインテリゲンチャぶtって批判したりはしないというのだ。尚インテリゲンチャ自身が文明の産物である。
「いいことだ」
「飾ってトンカツ売れないですから」
「パンも」
「最近ハヤシライスも売れてますけれどね」
「こっちはジャムパンが」
「文明だな、まことに」
このことも実感する日下部だった。そうした話をして。
彼は今度はこう言ったのだった。
「それで柴犬は置いたな」
「はい、ちゃんと」
愛実は日下部に確かな言葉で答えた。
「待っててもらってますので」
「ならいい。だがくれぐれも用心してくれ」
「狐さんや狸さんに犬は禁物なんですね」
「基本霊や妖怪には駄目だ」
そうした存在に犬は禁物だというのだ。
「そのことは覚えておいて欲しい」
「ううん、犬好きの私にはちょっと辛いですね」
「連れて来なければいい。少なくともこの学園には悪い妖怪はいない」
このことは確かだった。幽霊にしても妖怪にしてもだ。
「決壊があるからな」
「よく考えてみればそうですけれどね」
「それでもですね」
聖花もまた話に入って来た。
「狐さんや狸さんでも」
「悪い人達はいないですね」
「その通りだ。絶対にいない」
そうだというのだ。
「間違ってもだ。だから今度からは連れて来ないことだ」
「わかりました。犬ってそうなんですね」
「狼はいい様だがな」
「犬と狼って一緒なんじゃ」
「同じでも違うのだ」
犬は狼から生まれたものだ、だがそれでも違うというのだ。
「そこはな」
「どう違うんですか?」
聖花はその違いがわからずに首を捻って問うた。
「犬と狼で」
「その辺りは私もわからない」
日下部とて全てを知っている訳ではないのだ。それでこう言ったのである。
「同じものだとは思うが」
「それでもですね」
「その辺りは」
「わからない。だが犬は普通にそうした存在に怖がられる」
そうしたものだというのだ。
「だから気をつけておいてくれ」
「わかりました。それじゃあ」
愛実はまた日下部の言葉に頷いた。そうした話をしてだ。
日下部に対してあらためて述べたのだった。
「じゃあ今からその狐さんと狸さんのところに行ってですね」
「遊ぶべきだ」
「遊ぶんですか」
「妖怪達は夜は遊ぶものだ」
「それはもうわかってます」
「なら行こう。狐狸の遊びもまた独特だ」
日下部の言葉には笑みが入っている、そしてだった。
二人に顔を向けてすぐに言ったのだった。
「美
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