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久遠の神話
第十九話 高代の力その一
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                       久遠の神話
                    第十九話  高代の力
 六人目の剣士が出た。このことはだ。
 すぐに工藤と高橋のところにも伝わった。それを聞いてだ。
 工藤はだ。真剣に考える顔で高橋に述べた。今二人は共に紅茶を飲んでいる。
 そうしながらだ。彼は言ったのである。
「学校の教師とはな」
「それも上城君の学校の」
「八条学園高等部か」
 その勤務先についてもだ。工藤は述べた。そうしてだ。
 自分の携帯のメールを見てだ。そして言うのだった。
「この情報は中田君からだが」
「上城君が彼に話したんですね」
「そうだ。また聞きだがな」
「嘘の情報にはですね」
「思えない。いや」
 嘘どころか。どうかというのだ。
「上城君も中田君も嘘を言わない」
「はい、ですからこの話は絶対に」
「事実だ。六人目の剣士は上城君の先生だ」
「俺達にとっては別に何でもないことですけれど」
「上城君にとっては違う」
 このことがだ。二人にとっては問題だった。
 それでだ。工藤はあらためて高橋に話したのである。
「一度だ。その彼ともだ」
「会うべきですね」
「彼は戦うことを選んでいるそうだ」
「なら。若しもの時は」
「覚悟しておこう」
 鋭い目になりだ。工藤は向かいの席で紅茶を手にしている高橋に述べた。
「その時はな」
「ですね。止めないといけませんね」
「俺達の仕事は戦いを終わらせることだ」
「はい、ですから」
「その彼も止めなくてはいけないがな」
「どうしてもというのなら」
 ここが違っていた。二人と上城は。
 そしてそのことを自覚しつつだ。工藤は話すのである。
「戦わないといけないならな」
「ではその様に」
 こうした話をしてだった。二人はその戦士、高代のことを話すのだった。そしてだ。
 部活を終えた中田のところにだ。広瀬が来た。シャワーと着替えを終えて部室を出たところでだ。
 彼の姿を見てだ。中田は言った。
「闘いじゃないよな」
「別に闘ってもいいんだがな」
 半ば買い言葉で返す広瀬だった。この態度は変わらない。
 しかしだ。彼はこう中田に言ったのである。
「しかし今はそれがここに来た理由じゃない」
「じゃああれか」
「知っていたか」
「上城君から聞いたさ」
 それでだ。知っているというのだ。
「六人目の剣士だよな」
「高等部の先生か」
「みたいだな。英語のな」
「つまり近くにいる」
 広瀬は場所のことから話す。
「闘うには好都合だ」
「そうなるな。じゃああんたは早速その先生のところに行くのかい」
「そう考えている。それでだ」
「それで。今度は何だよ」
「君はどうするのかな」
 中田を見据えてだ。
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