第十八話 教師その七
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「私はそうした問いに答えることはしません」
「どうしてもですか」
「はい、どうしてもです」
絶対にだ。そうするというのだ。
「私は絶対に答えません」
「そうですか。わかりました」
声の言葉を受けてだ。高代はだ。
実際に何があっても答えないことを察してだ。こう言うのだった。
「ではそれでいいです」
「はい、それでは」
「私は私の夢を適えさせてもらいます」
「戦いですね」
「そうさせてもらいます」
こう声に言ったのである。
「それだけです」
「ではその様に」
「上城君」
声との話を終えてだ。高代は上城に向かいなおった。
そのうえでだ。また彼に言ったのである。
「では次はです」
「戦われるんですね」
「ですが学校の授業や指導はこのままです」
「先生として、ですか」
「私は教師です。その務めは義務です」
仕事以上のものがある、そうだというのだ。
「ですから務めさせてもらいます」
「だからですか」
「そうです。これからも宜しくお願いします」
微笑みだ。上城に告げたのである。
「教師として」
「わかりました」
高代のその言葉にだ。上城もだ。
彼と違い表情は強張っている。だがそれでもだ。
彼はだ。こう答えたのである。
「ではこれからも宜しくお願いします」
「それでは。ただし戦いでは」
「剣士としてですね」
「正々堂々と戦いましょう」
こう言ったのである。
「その時に」
「正々堂々ですか」
「それが何か」
「いえ、何か先生のお話を聞いてると」
どう思ったのかをだ。上城は話すのだった。
「手段を選ばないのかなと」
「私はそうした人間でしょうか」
「いえ、少なくとも今まではそう思ってませんでした」
教師としては非常に誠実で真面目だ。それが高代だ。
だからだ。上城も今言った。しかしだ。
彼は高代の剣士としての言葉からだ。もしやと思ったのだ。
だが高代は微笑みだ。こう彼に言ったのである。
「目的の為に手段を選ばないですね」
「はい、そうした人ではないんですね」
「そうした人もいます」
これは事実だとだ。高代も述べる。
しかしだった。ここで彼はこう言ったのだった。
「ですがそれはどうなのでしょうか」
「人として、ですか」
「少なくとも教育者としてはどうでしょうか」
人を教え導くだ。その立場ならどうかというのだ。
「政治家や官僚なら政治として結果を出さないといけないので」
「そうした人達はいいんですか」
「政治は結果が全てです」
このことはシビアに言う彼だった。
「結果を出さなければ国民が困ります」
「だからそうした人達は手段を選ばずにですか」
「国益を守り手に入れなければなりません」
高代はこう政治家や官
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