第十八話 教師その四
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「古代ギリシアなんて学問の王道の一つだろ」
「シュリーマンとかだよね」
「ああ、そことかな」
「だったら」
剣士のことを念頭に置いてだ。彼は腕を組みだ。
深く考える顔になりだ。こう呟いた。
「それなら聞いてみようかな」
「その博士にかよ」
「うん、あのことだって」
つい漏らしてしまった。これは上城の失言だった。
だが誰も剣士のことは知らない。それでだった。
彼等はだ。こうその上城に問い返した。
「あのことって何だよ」
「先生が前に言ったあれか?海の民か?」
「そのことか?」
「うん、そうだね」
上城はまだ気付かない。周囲の問いにだ。
剣士のことについて考えながら。そのうえで呟いていく。そうしてだった。
そのうえでだ。彼は言うのだった。
「じゃあ大学に行ってみようかな」
「そうするのか。で、博士に聞くんだな」
「その仙人みたいな博士に」
「そうするんだな」
「そうしようかな」
上城は剣士のことを言っている。周囲は海の民のことを言っている。彼等は御互いに齟齬を犯していた。しかし御互いにその齟齬に気付かないままだ。
話しだ。そうしてだった。上城は今はだった。
昼休みを利用してだ。そのうえでだ。大学に向かう。昼食を食べてすぐにだ。
大学に向かい博士の研究室に向かう。だがここでだ。
彼の前にある男が来た。それは誰かというと。
高代だった。彼は穏やかな笑みを浮かべて上城の前にいた。そのうえでだ。
彼にだ。こう言ってきたのである。
「何処に行かれるのですか?」
「あっ、高代先生」
「大学に行かれるのですか?」
「はい、実は」
嘘を言わずにだ。上城は高代の問いに答える。
「授業中にお話してくれたその」
「あの博士のところにですか」
「行こうと思ってるんですが」
「わかりました。では」
「行っていいですか?」
「私でよければお話できるでしょうか」
上城の顔を見てだ。高代は穏やかな笑みでだ。こう言ったのである。
だが、だ。彼の申し出にだ。
上城は怪訝な顔になりだ、高代に述べた。
「いえ、申し訳ないですが」
「私ではというのですね」
「ちょっと特別な話ですから」
「私の知らないことだと」
「はい、すいません」
こう高代に言ってだ。そのうえでだ。
大学に向かおうとする。しかしだった。
ここでだ。その高代がだ。上城に言ったのである。
「私はそのことについては博士よりも知っていますよ」
「そのことって」
「剣士のことですね」
高代の笑みが変わった。思わせぶりなものにだ。
そしてその笑みでだ。彼に言うのである。
「君は剣士ですね」
「まさか。先生も」
「そうです」
こうだ。上城に対して話した。
「私もまた剣士なの
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