第十七話 六人目の戦士その十一
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「日本人のいるところ日本文化があるからな」
「そうです。非常にいいものですね」
「有り難い言葉だな」
広瀬は今度は茶と一緒にある菓子を食べている。桃色のういろうだ。
それを食べつつだ。彼は言うのだった。
「日本人としてな」
「日本人ならですか」
「そういう外国の人がいたら嬉しいと思うものじゃないかな」」
広瀬はその考えを今述べるのだった。
「うちの大学は外国からの人も多いけれどな」
「ということは六人目の剣士の人も」
「ひょっとしたらよね」」
上城と樹里がまた話した。
「外国からの人も剣士だったりすることも」
「有り得るわよね」
「そうです。その可能性もあります」
聡美もだ。その可能性は否定しなかった。何はともあれだ。六人の剣士が誰なのかはわからなかった。今の時点ではだ。
彼等が六人目の剣士について考える中でだ。学園のある場所、森の中でだ。
ある者がだ。あの声と話していた。
「剣士なのですか」
「はい、そうです」
「妙な話ですね」
まずはここから話すのだった。声に対して。
「戦いを行いそして生き残り」
「望みを適えることができるのです」
「私の望みを」
「どうですか?剣士になられた気分は」
「何とも言えません」
これが返答だった。
「今は」
「そうなのですか」
「しかし」
それでもだとだ。彼はだ。
声を曇らせてだ。こう言うのだった。
「その剣士の中にはですか」
「はい、彼もいます」
「上城君も」
このことをだ。声を曇らせて言ったのである。
「いるのですね」
「そして大学生の人達もです」
「この学園のですね」
「います。そして」
「私は彼等と戦わなくてはいけませんか」
「それで貴方はどうされるのですか?」
「私にも夢があります」
剣士らしくだろうか。このことを話に出した。
「ですから。どうしてもです」
「戦われますか」
「上城君とは戦いたくありません」
それはだというのだ。だが、だった。
その気持ちと共にだ。彼は言うのだった。
「ですがそれでも」
「貴方の夢の為に」
「私は彼と戦うことにします」
こう言ったのである。
「そうします」
「わかりました。それでは」
「はい、では」
声と話してだ。そのうえでだ。
彼はその場を離れた。そうして一人静かにだ。何処かへと消えたのである。今はそうしたのだ。
第十七話 完
2011・12・6
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