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戦国異伝
第五十三話 徳川との盟約その一
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 こう話すのだった。
「我等の殿はまだ来られていませんが」
「間も無くですな」
「さて、では殿が来られてから」
「本題ですな」
 織田の者達は余裕を見せていた。しかしだ。
 徳川の者達はだ。少しずつだが確かにだった。
 焦りを感じていた。そうしてだった。
 口々にだ。こう言い合うのだった。
「遅いですな」
「いや、全く」
「我等は客の立場だというのに」
「その客を待たせるとは」
「織田殿、少し高慢ではありませぬかな」
「左様ですな」
 信長についてだ。不満を感じだしていた。
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