第十七話 六人目の戦士その二
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「そういうことなんだよ」
「食べたら身体を動かす」
「その方が精神的にもいいんだよ」
「ですね。言われてみれば」
樹里は中田の言葉に強く頷く。そうしてだった。
彼女はだ。そのちゃんぽんを食べながら言うのだった。
「じゃあ私は」
「どうするんだい?君は」
「もっと食べてもっと身体を動かします」
これが彼女の出した結論だった。
「そうします」
「それがいいな。こんな言葉もあるんだよ」
「どんな言葉ですか?」
「痩せたければ食べろってな」
ある美白研究家が残した言葉である。
「そう言ってたな、確か」
「痩せたければですか」
「ああ、食べるんだよ」
まずはそれだというのだ。
「食うとそれだけ新陳代謝だってよくなるだろ」
「はい」
「それで身体を動かす」
ここでもそれだった。
「そうあるべきなんだよ」
「わかりました。それじゃあ」
「健康的にダイエットしないとな」
体育を学んでいるだけはある言葉だった。
「絶食とかってよくないんだよ」
「あっ、それわかります」
上城もここで頷いた。
「食べないとかえって駄目だって言われますよね」
「そうだよ。食べないで痩せるってのは精神的にもよくないんだよ」
「肉体的にもですね」
「よくあるだろ。拒食症な」
現代の社会問題の一つだ。痩せることを意識するあまりそうなるのだ。
「そうなったらまずいからな」
「ですね。女の子に多いですね」
「この娘は大丈夫みたいだけれどな」
中田は樹里を見て言った。ここでも彼女だった。
「とにかく食べないと駄目なんだよ」
「食べられるなら」
「そうしないといけないんですね」
「そういうことだよ。だから食えよ」
にこりと笑って言う中田だった。その彼の言葉を受けながらだ。
上城と樹里も食べるのだった。そのちゃんぽんを。
ちゃんぽんを食べて日曜を過ごし月曜にだ。樹里は体育の授業においてだ。
とにかく必死に走り身体を動かした。そうしてだ。
グラウンドの蛇口のところで顔を洗う。その後ろからだ。
彼女のクラスメイト達がだ。こう彼女に問うてきた。
「ちょっと樹里今日はどうしたのよ」
「また随分がむしゃらに動いてたけれど」
「何?太ったの?」
「そんなに太ってないじゃない」
彼女達は蛇口のところに身体を屈めて顔を洗って汗を落とす樹里を見て言った。白い体操服と黒の半ズボンに包まれた身体は均整が取れている。
その身体を見てだ。彼女達は言うのである。
「胸も普通位だし」
「脚にもお肉なんかついてないし」
「お腹だって出てないし」
「それで何でなの?」
「食べてるから」
それでだと答える樹里だった。顔を洗いながら。
「それでなの」
「ああ、またちゃんぽん食べたのね」
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