第十六話 上城の迷いその九
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だ。身を翻してから剣なくして身構える、中田は右手の刀を持っていてそれを構えたうえでだ。二人は言うのだった。
「こうして、ですね」
「ああ、刺しただけじゃないぜ」
「そうですよね。これから」
「剣を握ってな」
その突き刺した剣をだというのだ。今猪に刺さっている。
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