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レンズ越しのセイレーン
Mission
Mission6 パンドラ
(5) ニ・アケリア村 小川の堤防(分史)~ミラの社(分史)
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ルドガーもレイアもユリウスとアルヴィンの対決を気にして何度も後ろをふり返ったが、ユティは酌量せず彼らを引っ張っていった。

「ねえ、ユティ、ほっといていいのかな。アルヴィンとユリウスさん」
「今からアルフレドはきっとドロドロの話、する。レイアにもルドガーにも見せたくない顔、使う」

 アルフレド・ヴィント・スヴェントが人生の大半を被って過ごした、醜悪な仮面。他者を騙す、謗る、責める、扱き下ろす、アルヴィンの武具いらずの武器。それを見られるのを彼は望まない。
 好意ある人々に自分をよく見せたいと考えるのは人類共通のいじましさだ。

 そして、それはユリウスにも適用される。ルドガーに仕事用の被り物を目撃された日には、ユリウスが再起不能になりかねない。

「ワタシたちにできるの、見ないフリだけ。割り切って」
「……そうだな」
「……わたしはなんか、イヤかも」

 それ以上は言葉を重ねなかった。ただ3人、手を繋いでニ・アケリア参道へ歩いて行った。

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