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久遠の神話
第十六話 上城の迷いその六
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「本末転倒っていうか」
「そうよね。それって何か」
「だからどうかって思うんだ」
 そうしただ。戦いを止める為の戦いはどうかというのだ。
「何かが違うんじゃないかって」
「確かに。それじゃあ何か」
「何処かの大国じゃないんだし」
 あえて何処とは言わなくてもよかった。とりあえずそうした国は残念なことに地球上に存在している。しかも一国だけではないのだった。
「日本の左右にそれぞれ一国ずつあるから」
「そうよね。ああしたことって何か」
「違うと思うんだ」
 難しい顔で言う上城だった。
「戦いを止める為に戦うっていうのは」
「正義とか大義とか言ってもね」
「うん、間違ってると思うから」
 それでだと話す。樹里に対して。
「そういうことはどうかって思うけれど」
「じゃあやっぱり?」
「戦いを止める為に戦うのは違うと思うんだ」
 彼の今の結論だった。今のだ。
「だからここは」
「どうするの?それじゃあ」
「どうしようか」 
 難しい顔でだ。上城は樹里に問うた。
「何かいい考えがあったら」
「私も。何かね」
 樹里も上城と同じく難しい顔になっていた。そのうえでだ。
 その顔で腕を組みだ。彼女はこう上城に述べた。
「わからなくなってきたわ」
「そうなんだ」
「ええ、御免なさい」
「どうしたらいいのかな」
 いよいよだ。上城はわからなくなってきたのだった。
「僕は戦いを終わらせる為に一体何を」
 上城、そして樹里はわからなくなってきていた、彼が何をすればいいのかを。その日は悩みその中で終わった。だがそれでもだった。
 戦いは行われていた。次の日だ。上城の前にだ。また怪物が出て来たのだ。
 昼休みにだ。不意に耳にあの声が聞こえてきたのだ。
「出ました」
「また貴女ですか」
 上城はまずはだ。頭の中でその声に問い返した。
「出たっていいますと」
「はい、そうです」
 怪物が出たと話す声だった。そしてだ。上城にその場所も教えてきたのだった。
「この校舎の屋上です」
「僕が今いる校舎の」
「はい、そこに向かって下さい」
 こう上城に言ってきたのである。
「宜しいですね」
「わかりました。それじゃあ」
「それと他の剣士の人も向かっています」
 怪物のいるその屋上にだ。向かっているというのだ。
「その人とは」
「それは」
 そう言われるとだった。上城はだ。すぐに難しい顔になった。
 そしてだ。こう言うのだった。
「わかりません。ですが」
「怪物とはですね」
「闘います」
 そのことについてはだ。毅然として話す彼だった。
「そうさせてもらいます」
「わかりました。それでは」
「今から行きます」
 屋上の方、即ち己の頭上を見ての言葉だ。その目には今は学校の校舎の白
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