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久遠の神話
第零話 炎の覚醒その二十一
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 言わないのなら聞かなかった。それが彼のやり方だった。
 それでだ。こう声に言うのだった。
「とにかくな」
「はい、とにかくですね」
「戦って勝てばいいんだな」
 あえて単純に言ってのことだった。
「そうすればいいんだな」
「そうです。頑張って下さい」
「戦うしかないからな」
 中田の表情は明るい。しかしだった。
 その明るさに強い決意も含ませてだ。そのうえでだった。
「じゃあ。やらせてもらうぜ」
「はい、それじゃあ」
 これが全てのはじまりだった。彼は戦いの中に入った。そしてそれはだ。彼の運命を大きく動かしていく。だが彼は今はそのことは知らなかった。


第零話   完


                2011・6・23
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