第十五話 選択その二
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「そして倒す」
「そうされるんですね」
「さて、どうする?」
その横に掲げた構えのままだ。上城に言うのだった。
「闘うか。それとも逃げるか」
「どちらにするか」
「君が選ぶといい」
上城は後ずさってはいなかった。何とか踏み止まっていた。しかしだ。
決断の時は迫っていた。その中でだ。
彼は決断した。その決断とは。
「僕は」
「上城君、じゃあ」
剣はまだ出していない。それを見て言う樹里だった。そうしてだ。
彼の動きを注視していた。闘いを避けると確信していた。そしてそうした瞬間にだ。
彼と共に逃げようと考えていた。しかしここでだった。
上城が足を一瞬反転させようとした。その瞬間にだ。この場にだ。
中田が来た。彼は既に赤い双刀を持っている。そのうえでだ。
悠然と場に来てだ。こう上城に言ったのである。
「君はやっぱり闘わないんだな」
「中田さん・・・・・・」
「それならそれでいいさ」
笑みも悠然としている。そのうえでだ。
彼は中田の横に来た。そして言うのだった。
「君の望みを目指すんだな」
「じゃあ今の僕の行動は」
「俺はいいと思う」
こう言う。双刀をそれぞれ肩にやり首の後ろで交差させて。
その姿勢でだ。今度は広瀬に顔を向けて言うのである。広瀬は既に構えを解いている。だが己の剣は右手に持ったままである。その彼への言葉だった。
「選手交代でいいか?」
「君が彼の代わりに闘うってことだな」
「そうさ。彼は剣士とは闘わない主義だからな」
「それで君が彼に代わって俺と闘う」
「別にいいよな。剣士と闘うことに代わりはないんだからな」
「そうだな。そう考えればな」
「別にいいだろ」
また広瀬に告げる中田だった。
「それならそれでな」
「いい。なら俺は君と闘おう」
「よし、じゃあやるか」
「木は火に弱い」
広瀬はこの定義を自分から言った。今も構えていない。
その彼がだ。中田に言ったのである。
「これは絶対の定義だな」
「ああ、俺もそう確信してるぜ」
中田は刀を下ろしていた。そのうえで広瀬を見据えて言うのだった。
「けれどあんたの場合は違うんだな」
「木の力が弱ければ火に焼かれる」
そうなるというのだ。
「しかし木の力が強ければだ」
「火に焼かれないっていうんだな」
「そのことは前にも見せたし今も見せよう」
こう言うのだった。そしてだ。
中田もだ。広瀬にまた言葉を返すのだった。
「面白いよな。じゃあ俺もな」
「君の火の力で」
「あんたを焼くぜ」
目は鋭いがだ。口元で不敵に笑ってみせてだ。
そのうえで構えてからだ。彼に告げたのである。
「ここでな」
「いいだろう。ではだ」
「はじめるか」
こうしてだ。二人の闘いが
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