第十四話 水と木その十一
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「そうなると思うけれど」
「確かに。けれど」
それでもだとだ。上城は水流の中でもがく獅子を見ながら応えた。
獅子は何とか水流から出ようとする。しかしそれを許さないだけの強さの水流を出し続け完全に封じてだ。彼は言うのであった。
「これならね」
「倒せるかも知れないのね」
「うん、獅子は苦しんでるから」
そうだった。次第に呼吸困難に陥っていた。
「このままなら」
「勝てるのね」
「そうかも知れないね」
確信はなかった。しかしそれでもだ。
獅子が苦しんでいることからだ。彼は勝機を見ていたのだ。
その攻防、封じる彼と出ようとする獅子のそれが続いた。しかしだ。
遂にだ。獅子はその動きを止めた。その瞬間にだ。
黄金の身体が消えて残ったのは黄金そのものだった。
その黄金の棒達を見てだ。上城は言うのだった。
「勝ったよ。確かに剣は効かなかったけれど」
「水は効いたのね」
「うん、その呼吸を封じてね」
水流に包み込みだ。そうしたことによってだった。
怪物を倒した。ここでだった。声も言ってきた。
「かつてヘラクレスはです」
「どうやって倒したんですか?あの獅子を」
「首を絞めて殺しました」
「その力で、ですね」
「はい、そうです」
まさにだ。その力を使ってだというのだ。
「そうして倒したのです」
「そうだったんですか」
「つまり不死身といってもこの獅子の場合はです」
「剣や弓矢が効かないという意味だったんですね」
「そうです。ですから窒息等させればです」
それで倒せる。そういうことだった。
それを話してだった。声はだ。
上城にあらためてだ。こう言うのだった。
「貴方のやり方は正しかったのです」
「そうなんですね。それでなんですか」
「その通りです。よくおわかりになられましたね」
「いえ、わかってはいなかったです」
上城はそれは否定した。獅子から出た黄金を見ながら声に話していく。
「それはとても」
「そうなのですか」
「はい。そんなことはとても」
わからなかったとだ。また答える上城だった。そうしてだ。
声にだ。こう言ったのである。
「ですが剣や弓矢が効かないのならと思いまして」
「それでだったのですか」
「はい、そうです」
こう言うのだった。
「死なない生物なんていませんから」
「神でもなければですね」
「そうです。あの獅子はヘラクレスに倒されたと聞きましたし」
そこからもだったのだ。考えたのは。
「それで、でした」
「そういうことですか。わかりました」
「この戦いは終わりましたね」
声にだ。このことを確認した。相手を倒したことを自分でも確めながら。
「では僕はこれで」
「いえ」
去ろうとする彼にだ。声は。
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