第十三話 想いの為にその十一
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「それを買いたい」
「自衛隊ね。最近また忙しいわね」
「災害救助でな」
「頑張ってくれてるわね」
「自衛隊が頑張ってくれている状況はよくないがな」
戦争だの災害だのがある場合だからだ。確かにそれは不幸な状況だ。
しかしそれでもだとだ。広瀬は真深に話した。
「だがそれでも。あの人達が頑張ってくれているのは」
「いいことよね」
「かなりな。有り難いことだよ」
広瀬は微笑んで自衛隊、自衛官への賞賛の言葉を出した。
「あの人達がいてくれて」
「私自衛隊のことにはそんなに詳しくないけれど」
「それでもか」
「うん。自衛隊は好きよ」
微笑みそう言うのだった。今二人は並んで歩いて茶道部の部室を後にしていた。真深は文化部なので着替えたりする必要はないので時間はすぐだ。
「お巡さんや消防署の人達と同じよね」
「俺達を護ってくれている」
「そういう人達だからね」
それでだというのだ。
「有り難いわ」
「そうだな。それじゃあな」
「ええ。じゃあね」
また笑顔でだ。真深は言ってだ。
広瀬のバイクに二人で乗ってだ。本屋、エイパーセントに行ったのである。そこは一階一階がかなり広く無数の本棚が並んでいた。その三階に行きだ。
彼女はだ。すぐにその本を持って来て彼に言った。
「この本なのよ」
「それか」
「そう、千利休の本ね」
見ればだ。彼の伝記のものだった。
「これ欲しかったのよ」
「俺も見つけた」
「あっ、広瀬君もなの」
「これだ」
彼もだ。自衛隊について書かれた本を出して来た。
「これを買いたい」
「ハンドブックね」
「そう、これだ」
よくある種類の本だった。自衛隊について書かれたものの中でもだ。
「これが欲しかった」
「自衛隊について詳しいのね」
「そう。特に」
「特に?」
「食べものについて詳しい」
自衛隊の食事についてだというのだ。自衛官も人間だから食べないとならないからだ。それは当然としてあった。ない筈のないことでもある。
それについて詳しいとだ。広瀬は言うのだ。
「中々面白いことが書いている」
「どんなの食べてるの?自衛隊の人達って」
「普段は俺達と変わらない」
人間だからだ。それも当然のことだった。
「ただ。非常時だが」
「あれよね。軍隊のあの」
「ミリ飯だな」
「ミリ飯!?」
「軍隊の食事をこう呼ぶようになっているんだ」
「そうなの」
「それを食っている」
非常時にはそうしているというのだ。そしてだった。
広瀬は自衛隊のそれについてだ。真深にこう話した。
「飯の缶詰にだ」
「へえ、御飯の」
「鶏のものや赤飯もある」
「種類多いのね」
「中にはもち米も入っている」
普通の米だけを使っている訳ではなかった。
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