第十二話 一人ではないその十一
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「僕あれ好きなんですか」
「おっ、そうなのか」
「はい。果物はどれも好きですけれど」
「その中でもなんだな」
「梨はかなり好きでし」
それでだ。洋梨もだというのだ。
「水分も多いですし」
「水か」
「はい、水分が多い果物とか野菜好きなんです」
「だよな。それはわかるさ」
中田は上城のそうした嗜好についてだ。笑顔で応えた。
「君は水の剣士だからな」
「あっ、そうですね」
そしてだ。上城も言われてそのことに気付いた。
「確かに。水の剣士ですから」
「だからだよな」
「そういうのも関係するんですかね」
「君のそれは好みで水の剣士になったのは運命だろうな」
だからだ。厳密には違うというのだ。
「その辺りはな」
「そうですか」
「ああ、けれど水の剣士がそれを好きだっていうのはな」
「面白いですよね」
「結構な」
そんな話をだ。彼等は中田の家で彼の料理を食べながら和気藹々と話していた。そしてもう一人の剣士である広瀬はだ。その時は。
彼より二十センチ程背の低いだ。髪を肩を完全に覆うまで伸ばしやや茶色にしている女の子と共にいた。顔は丸く目ははっきりとしている。
服は下は青いジーンズで上は青と白のストライブのシャツで白いカーディガンをかけている。その女の子にだ。彼はこんなことを言っていた。
「何か食べるかな」
「ううんと、それじゃあね」
女の子もだ。親しく彼に返す。
「ハンバーガーなんてどうかしら」
「ハンバーガーか」
「それとコーラね」
アメリカンな組み合わせだった。
「そうそう、マッシュポテトも」
「マッシュポテトか」
「その組み合わせどうかしら」
「それならマクドナルドやモスバーガーじゃなく」
「本格的なお店になるけれど」
「八条バーガーがいい」
それにしようとだ。広瀬は女の子に述べた。
「あの店はマッシュポテトもあるししかも」
「美味しいわよね」
「しかも量が多いからな」
「ハンバーガー自体も大きいしね」
「尚且つ安い」
いいことばかりだった。食べる側にとっては。
「ならそこにしようかな」
「そうね。じゃあ八条バーガーにしましょう」
こうした話をしてだ。二人は夜の町を歩きだ。そのハンバーガーショップに入った。
マクドナルドに似ているが白ではなくライトブルーの色調の店でありオーダーもかなり違っていた。そのオーダーを見ながらだ。
青いミニスカートに白いブラウス、そして赤いエプロンの店員にだ。広瀬が告げた。
「ダブルバーガーセットを二つ」
「ポテトは何にされますか?」
店員はカウンターの向こうから広瀬に尋ねる。カウンターの向こうでは店員達が動いてだ。ハンバーガーやフライドポテトを作っている。
そのカウンターにおいてだ。店員はレ
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