勇者の盾
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や…止めようにも、今現在何処にいるのか分からない事には…それに既に手遅れかもしれないし………今僕等に出来る事は、少しでも早く魔の島へ行く方法を入手する事だよ!」
取り乱す一同を余所に、冷静に状況判断を下し対策を提示するリュカ。
「な、何言ってるんですか!?このアレフガルドの海を見た事ないんですか!?太陽がないから真っ暗で、方向感覚も無くなり、水温は極寒と言っていいレベル…尚かつ、魔の島近海では常に波が荒れており、泳いで渡る事など不可能なんです!」
リュカの冷静な判断に、発狂しながら事態を説明するフィリ。
そんな彼女の所為で、余計に血の気が引くアルルとアメリア…
「いや…魔の島に渡るだけなら、不可能ではない!問題なのは上陸した後なんだ!」
「じょ、上陸した後って…どういう事ですか?」
父の身に対する不安で声も出ない彼女の為に、ティミーが代わりにリュカへと問いかける。
「うん。僕もラダトームに居た時に魔の島方面の海域を見たよ………暗くて方向感覚が無くなるって事だけど、目的地のゾーマの城に多少の明かりが見えるからね…方向感覚はなくならないだろう…」
そうなのだ…ラダトーム城の最も高い場所へ登れば、魔の島のゾーマ城を微かに目視する事が出来るのだ。
「し、しかし…水温はどうします?とても泳ぎ切れないと思いますが!?」
「オルテガはメラを使えるんじゃね?」
リュカはティミーの疑問には答えずに、妻のアメリアに質問を投げかける。
「え、えぇ…確か使えましたけど…」
「じゃぁ大丈夫だよ!メラを体中に纏わせれば、ギリギリ泳ぎ切る事が出来るはず…」
「メ、メラを纏わすって…どういう?」
「エジンベアでビアンカが見せたろ。両手にメラの炎を纏わして、生意気な門兵を脅かしたじゃん!…アレを体全体で行えばいいんだよ!」
つまり…海水で炎は消えてしまうが、メラを出し続ければ自分の周囲だけは、ある程度の温度で保てると言うのだ。
「で、でも…上手くいくでしょうか?」
「そんなの分からないよ!でもオルテガは、その方法で渡る事を決意したんだと思うよ」
「なるほど………では、父さんの意見ではオルテガさんは既に魔の島へと渡っていると?」
「いや…それは分からない。泳ぐにしたって可能な限り最短距離にしたいはずだから、場所の選定中だと思うね…ただ、泳ぎ出す前に僕等がオルテガを見つける事は時間的にムリだと思う!それよりも彼が泳ぎ切る事を信じて、僕等は正しい魔の島への渡り方を探しだそう!」
リュカの言葉に、顔面蒼白のアルルとアメリアも取り乱す事だけは回避した。
今は何をすれば良いのかを理解したから…
ティミーはそんな彼女を見て、父との差を思い知るのだ…
多数の情報を纏め上げ、現在の状況と参照し、1つの答えを導き出す。
父の言う『思考を柔ら
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