第八話 二人の剣士その九
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「木の剣を使っているんだ」
「わかりました。高橋警部ですね」
「ああ、宜しく」
「そして私は」
次はだ。自衛官だった。彼はこう名乗る。
「工藤澄也。二等海尉」
「やっぱり海上自衛隊の人か」
「そうだ」
見ればこちらは一八〇程だ。少し肌は浅黒い一重の目は細く痩せた顔をしている。目の下が少し出たようになっていて唇は短く厚い。年齢はおそらく二十代だがより落ち着いた印象である。髪は黒でやや伸ばした感じがするのがいささか自衛官らしくはなかった。
だが落ち着いた、何処か余裕のある印象を与える。
その彼も言った。
「大地の力を使う」
「だよな。見させてもらったよ」
彼には中田が応える。
「それもな」
「そうか。これでお互いのことは名乗ったな」
工藤が笑顔で言う。そしてだ。
そのうえでだ。中田と上城に尋ねるのだった。
「剣士のことは知っている」
「もうね」
工藤に続いて高橋も言う。
「それならだ」
「どうするのかな、君達は」
「戦いだよな」
中田が二人のその言葉に応える。
「つまりは」
「そう、それだ」
こうだ。工藤は中田に対して答えた。
「剣士は十三人いて最後の一人まで戦いが続けられる」
「だから俺達もお互いに剣士だから」
「戦わなくてはいけない」
「それではわかるよね」
「俺はあれなんだよ」
中田は二人の話を聞き終えてからだ。一呼吸置きだ。
それからだ。彼等に尋ねた。
「相手が剣を持ってたら戦うんだよ」
「その場合はというんだね」
「君は」
「ああ、剣を持たない相手とは戦わないさ」
口調や仕草は飄々としている。しかしだ。
中田はそこに確かなものを置いてだ。そうして言うのだった。
「何があってもな」
「では我々が剣を持たないと」
「戦わないというんだね」
「そうさ」
その通りだとだ。また答える中田だった。
「それは最初に言っておくさ。こうしてな」
「僕はです」
中田が話し終えるとだ。すぐにだ。
上城がだ。彼よりも強い口調で二人に話してきた。
「戦いは嫌いです」
「では君は剣士が剣を持っていてもか」
工藤がその上城に尋ねる。
「戦わないというのか」
「はい、絶対に」
まただ。強い声で答える上城だった。
「そう決めています」
「できると思っているのかい?」
彼のその言葉を聞いてだ。高橋がだ。
問うその目でだ。上城を見てだ。
そのうえでだ。声でも彼に問うたのだった。
「そのことは」
「できないかも知れませんが最初から何もしないと何もなりませんから」
それを理由にしてだ。上城は二人に言った。
「ですから」
「それで戦わない」
「そう言うんだね」
「はい、そうです」
こうだ。上城はかつて中田に言っ
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