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戦国異伝
第四十四話 元康の決断その六
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のな」
「その者が出て来ておるのですか」
「その智勇は比類なきだそうじゃ」
 何故か信長はだ。彼のことを楽しげに話すのだった。
「信玄からも目をかけられておるらしい。高坂弾正と並ぶ武田の柱になる者としてな」
「あの者とですか」
 それを聞いてだ。目を光らせたのは佐久間だった。
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