第八話 二人の剣士その三
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「だからね。難しい難しいって思うよりはね」
「数学の文章題と思って」
「そうしてやっていけばいいのよ」
「そういうものなんだ」
「そうよ。実際にね」
「実際に?」
「この問題なんかは」
言いながらだ。樹里は。
実際に物理の教科書を出してその力学の問題の一つを上城に見せながら話す。そのうえでだ。詳しく応用まで入れた説明をしてだ。
そうして話し終えてからだ。彼に尋ねた。
「どう?わかった?」
「ああ、そうなんだ」
「これでわかったでしょ」
「何となくだけれど」
上城は首を少し捻ってから答えた。
「そういうものなんだ」
「そうよ。つまり物理は少し簡単な数学なのよ」
「文章題の」
「そう考えればいいから」
「成程ね。そういうものなんだ」
「そういうこと。それでね」
「うん、それで?」
上城は樹里にだ。あらためて尋ねた。樹里もそれに対してだ。
微笑んでだ。こう答えたのだった。
「赤点は取らないでいけるわよね」
「いけるかも」
「赤点取ったら何か嫌だしね」
「そうそう、落第はしなくても」
それでもだ。やはり赤点は取って気分のいいものではない。
それでだ。二人共言うのであった。
「取らないに越したことはないから」
「だからね」
「僕達どっちも赤点は取らなくて済みそうね
「いけそうね」
何につけてもだ。それはだと話してだ。
それでだった。彼等は。
図書館で勉強をしてからだ。下校した。その日はこれで終わりだ。
テストも順調に終わった。ところが。
テストも無事に全て終わりだ。その昼食の時だ。
二人がだ。高校の食堂で食べているとだ。そこに。
聡美が来た。彼女の姿を見てまず樹里が言った。
「あれっ、銀月さんですか?」
「はい」
にこりと笑ってだ。聡美は彼女に答える。
「少し用があって来ました」
「そうですか。それじゃあ」
「御一緒にどうですか?」
上城も言う。彼はだ。
共に昼食を勧める。見れば二人共同じハンバーグ定食を食べている。席は四人用の席にだ。今は二人で食べているのだ。
大きな、それこそ四〇〇グラムはあるハンバーグにサラダ、それに人参や白菜、玉葱を入れた味噌汁に漬物、それと白い御飯だ。
それを食べながらだ。二人は聡美も食事に誘った。
「御昼まだなら」
「はい、では」
聡美はここでも微笑みだ。そしてだった。
食券を買いに行きそれでだ。そのハンバーグ定食を買ってだ。
そのうえで二人の席、樹里の横に座りだ。そしてだった。
共に食べながらだ。こんなことを言ってきた。
「二人があらたにです」
「二人!?」
「はい、二人がです」
こう上城と樹里に言うのである。
「あらたに出て来ました」
「剣士の人達ですね」
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