第七話 中田の言葉その九
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「皆おばちゃんだからな」
「関西のおばちゃんになるよな」
「もう女で関西にいるだけで」
「そうなるよな」
「それでだよ」
ここまで大阪のおばちゃんについて話してからだった。
彼等はあらためてだ。上城に尋ねた。
「で、田辺さんの源氏物語だろ」
「あんな感じか?皆おばちゃんみたいな感じか?」
「大阪のおばちゃんが喋ってる感じか?」
「すげえ所帯じみた源氏物語か」
「まあそうなるかな」
その通りかも知れないとだ。上城も否定しなかった。
彼は首を少し捻りながらだ。友人達に応えた。
「実際源氏の君も結構お喋り多いし」
「あの源氏もか」
「所帯じみてるのか」
「源氏物語って品がある作品じゃないのか?」
「雅だよな」
「それで所帯じみてておばちゃんみたいな喋り方って」
「何か違うんじゃないのか?」
彼等は一様にだ。こう述べたのだった。
「源氏物語にしてはな」
「何か違う様な気がするけれどな」
「それってどうなんだ?」
「まあ古典苦手な俺達が言ってもだけれどな」
「それでもね」
それでもだとだ。ここでだ。
上城はだ。こう彼等に話した。
「それでも。わかりやすいよ」
「わかりやすいのか」
「そうなんだな」
「確かにおばちゃんみたいでも」
「話はわかりやすいのか」
「かなりね。それを読んだから」
それでだというのだ。上城も。
「あそこは得意だったんだ、源氏はね」
「そうか。それも勉強の仕方なんだな」
「そういうやり方もありか」
「そうだよな」
「確かにな」
彼等もだ。このことに気付いた。そしてだ。
一人がだ。源氏についてこんなことも話した。
「あと源氏って漫画でもあったよな」
「江川達也か?あいつのはもう漫画じゃないだろ」
「あいつの漫画はどれも最低だから止めとけって」
「あんなの読んだって何にもならないからな」
彼の漫画については完全否定だった。
「田辺さんの作品って何だかんだで読みやすくて面白いけれどな」
「そうそう、キャラが親しめるんだよ」
「身近にいる感じでな」
「書いてる人の性格出てるんだろうな」
とにかく関西のおばちゃんの性格をそのまま出して書いているのだ。文体は読みやすいのでそれが作品をさらによくしているのである。
しかしだ。それでもだ。
江川達也はだ。どうかというと。
「絵、下手だよな」
「あれ落書きだろ」
「描く度に加速度的に下手になってるよな」
「挙句には下書きそのまま掲載させたしな」
そこまで酷いのだ。絵がだ。
「おまけにキャラもな」
「全然魅力ねえっていうかむかつく奴ばっかでな」
「全然感情移入できないよな」
「東京大学何とかって話あっただろ」
一応その漫画家の代表作になっている。
「あれ
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