第87話 電波少女と眼鏡委員長 後編
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「劉将軍と同じ理由です。あなた様が烏桓族を如何に討伐するのか興味があるのです〜」
風はアメを舐めながら言いました。
「私の真名は正宗だ」
「正宗様、謹んで真名を預からせていただきます〜」
「さて、戯志才。次はお前の番だ。私は烏桓族討伐までに、彼らの機動力と互角に争えるだけの騎兵を用意できるという前提で策を献策してくれないか? 先ほど私がお前達に言った烏桓族の情報も加味にしてくれて構わない」
私は風から目を放して、郭嘉の方に向き直り言いました。
「はあ、風に一番美味しいところを持っていかれたような気分です」
郭嘉は深い溜息をしました。
「劉将軍、上谷郡の烏桓族を討伐するとなると、北平郡・遼西郡の各烏桓族から援軍が来る恐れがあります。特に、北平郡は目と鼻の先なので後背を突かれる恐れが有ります。郡大守の騎兵は精強と呼び声が高いので、烏桓族の援軍に備え、防備を備えていただくのが良いかと思います。それと、漁陽郡,広陽郡,代郡,雁門郡の烏桓族にも上谷郡の烏桓族討伐の助力を頼むべきかと。助力と引き換えに交易の話を持ちかけては如何でしょう。助力を得ることが出来た烏桓族には張純討伐をご命じになれば良いかと思います」
郭嘉は自信に満ちた表情で私に言いました。
「戯志才、見事な策だ。お前の策を採用しよう。約束通り、お前を従事中郎に任ずる」
私は郭嘉に官職を与える旨を伝えるとひと呼吸置きました。
「戯志才、お前は烏桓族討伐で参謀として従軍してくれるか? 私と風の会話で分かると思うが、私の烏桓族討伐の秘策はあまり人の目に晒すつもりはない。だから、従軍を無理強いするつもりはない」
「劉将軍、お詫びせねば成らぬことがございます」
私が言い終わると郭嘉は表情を暗くして私の顔を見て言いました。
彼女は従軍を拒否するつもりでしょうか?
でも、郭嘉はそんな素振りを見せませんでしたが・・・・・・。
・・・・・・。
分かりました!
「戯志才、私に偽名を騙っていたことか?」
「・・・・・・分かっておられましたか」
「偽名を騙るなど、大したことではない。私もお前を試したのだ。お互い様だろう」
私は郭嘉に微笑みました。
「お許しいただけるのですか。私の本当の名は郭嘉、真名は稟と申します。従事中郎の官職と従軍の件は謹んでお引き受けいたします」
郭嘉は私の言葉を聞いて笑顔になり、拱手をして応えました。
「稟、私の真名は正宗だ。これからよろしく頼む」
「はっ!」
「風、頑張るのですよ〜。それと正宗様、烏桓族討伐の秘策を教えてくださいね〜」
風は私の顔を見てニヤリと笑いました。
上手く烏桓族を取り込むことに成功したら、彼らを使って幽州
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