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とある完全模写の物語
序章
始まりと出会い
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 とある住宅街の一角。

 見た限り最近になって建てられたであろう綺麗なマンション。その一部屋にこの物語の主人公は住んでいる。

 彼の名前は神堂光輝。

 長年切っていない髪の毛は腰骨付近まで伸び、前髪は神堂の顔を隠してしまう程に伸びきっている。と言っても手入れはしっかりとしているので、ボサボサ、と言った状態にはなっておらず、どんな女性が見ても羨ましがるであろう綺麗な状態で整えられている。

 そんな彼は部屋の中に設置されたベッドの上に寝転がっており、瞼を閉じている。

 決して彼は寝ている訳ではない。

 本人は今すぐにでも寝たいのだろうが、部屋の窓から差し込む直射日光がそれをさせまいとさせている。

 季節は夏。

 既に部屋の気温は20を超えており、その中にいる神堂はあまりの暑さに寝たくても寝れない状況なのだ。

 ならば冷房なりなんなり付ければいいだろう、と思うかもしれないが、彼はそれをしたくても出来ない状況にある。その理由を言えば、何故か部屋に設置されてる家電器具が全て壊れてしまったのだ。

 昨日の夜までなんら問題なく使えていた筈の家電器具が今朝になったら全て使えなくなっている。あまつさえ、この夏を乗り切る為に必須である冷房まで壊れてしまっているのだ。

 最早今の彼にやる気、という文字はなくなってしまっている。

「暑い…とてつもなく暑い…どうしろと言うんだ」

 この暑さの中外に出るきにはなれない。なら部屋の中にいるしかないのだが、部屋の中を見渡しても暇をつぶせるような道具はなにもない。あるのは日常生活に最低限必要な家具のみ。…その大半を埋めていた家電器具は全て壊れてしまっているが。

 つまり、外に出ない彼が部屋の中にいても、暇をつぶせる訳もなく、只ベッドの上でゴロゴロするしかやることがないのだ。

 寝よう。

 その結果彼はその結論にたどり着くのだが、当然寝れない。寝れないから暇、暇だから寝よう、暑いから寝れない。この負のループに見事陥ってしまっている。

 この問題も彼の能力を使えばすぐにでも解決出来るのだが、それを彼は良しとしない。恐らくだが、彼の能力を本気で使えば、解決出来ない事などないだろう。だからこそ彼は極力能力を使わないで生活している。たった一つしかない生を最大限楽しむために。

「あぁー…誰でもいい。誰でもいいから俺の暇潰しの相手になってくれ」

 と、そう神堂が呟いた瞬間、タイミング良く部屋のインターホンがおされた。

 彼の耳にポーンという音が届き、その音を聞いた途端彼はベッドから身を起こし、扉の方に急ぐ。

 そのまま何の躊躇いもなく扉を開き、インターホンを推したであろう人物を確認する。

「中々に良いタイミングで来てくれた。暇
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