序章
始まりと出会い
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「何か嫌な予感がするな…俺達も行くぞ」
先程までの怠慢はどこに行ったのか、先程の様子とは打って変わった神堂がベッドから腰を上げる。それに続き火織も返事を返さず、腰を上げた。
今回の仕事の対象である"あいつ"…インデックス。本気ではないにしろ火織の斬撃を食らったインデックスの事が心配でしょうがない神堂。
インデックスが無事である事を祈りながらも神堂と火織は部屋を後にし、目的の場所に急ぐのであった。
――――――――――
「此処がそうか?」
「はい…そうなのですが」
神堂と火織はステイルがインデックスの回収に向かったであろうとあるマンションに来たのだが、どうにも様子が可笑しい。
火織の言った事が正しければインデックスは傷を負っている筈。傷を負っているなら彼女は反撃はおろか、まともに動く事も出来ない筈だ。
なのに、神堂と火織の視界に写るマンションは明らかに交戦の後が残っている。交戦の後と言っても神堂と火織にしか分からないような魔術の残りカスが漂っている、と言う事だ。
「急ごう」
「はい」
その事に何か嫌な予感を覚えた二人はいち早くマンションの中へと足を踏み入れる。
マンションの中に入り、階段を上り、ステイルの影がないか二人は探す。そして数階登った所で、見覚えのあるローブを羽織った男が倒れているのを発見した。
「ステイル!」
それがステイルだといち早く分かった神堂は倒れているステイルの元に駆け寄り、彼の肩を抱き身を起こし、無事かどうか確認する。
見たところ深手は負っていないようだ。顔に出来た痣を見る限り誰かに殴られたのだろう。
しかし、ステイルが此処で倒れていると言う事は、ステイルが誰かに負けた、と言う事だ。
「火織。お前は今すぐインデックスが何処にいるか探してくれ。少しばかりきな臭くなってきた」
「分かりました」
神堂は考える。何故ステイルがいながらインデックスを回収出来なかったのかを。
普通に考えればインデックスの回収に邪魔が入ったとしか思えないのだが…そもそもそれが可笑しい。
此処は学園都市と呼ばれる特殊な場所であり、俺達と同じような特殊な人間が多く存在している場所だが、それでもステイルに勝つことが出来る人間なんてあまりいないだろう。ステイルは腐っても此方の人間。対人戦闘ならプロは愚か素人に負ける事なんてそうそうないはずだ。
しかし、現にステイルは誰かに殴られ、気を失っている。それに周りを見れば分かるが、至る所に貼られたルーンの紙。つまり、これはステイルがイノケンティウスを使ったと言う事だ。
それはステイルがイノケンティウスを使わざるを負えなかった、と言う事の証明になる。
「こ
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