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とある完全模写の物語
序章
始まりと出会い
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で死にそうだったぞ」

「はい?」

 神堂の言葉に疑問で返したきた女性の名前は神裂火織。

 彼女は彼女で中々に特別な存在なのだが…今は置いておこう。

「まぁ入れ。お前も遊びに来た訳じゃないだろう?」

 神裂はなにも俺の暇をつぶしに来てくれた訳じゃない。これからの仕事に付いて説明しに来たのだろう。

 まぁその仕事の説明も今の彼にとっては充分暇潰しになるからなんでもいいのだろうが。

「それではお邪魔します」

 神埼は神堂の言葉に素直に従い、部屋の中に足を踏み入れる。そして外から部屋の中に足を踏み入れた瞬間、彼女が顔が少しばかり引きつった。

「光輝…」

「あぁ〜…皆まで言うな。お前の言いたい事は分かるが、言わないでくれ」

 部屋の中は冷房が効いていないのだから当然熱が篭っている。彼も極力窓を開けるなりして少しでも涼しい風を取り入れようとはしていたのだが、その効果も微々たるもので結局暑いままだ。だからこそ彼は寝れなかったのだが。

 神堂の言葉を聞いた火織は何処か不満そうな顔をするものの、それを口に出すことはなかった。

 それを見届けた神堂も先程まで寝転んでいたベッドの上に腰を下ろし、早速火織が持ってきたであろう仕事の話を確認する。

「それで?あいつはどうした?」

「それが…」

「?」

「彼女を斬ってしまいました…」

 そう口にした火織の表情は何処か後悔の念が浮かんでいる。

 彼女を斬ってしまいました。この言葉だけでは普通の人間には意味が分からないだろうが、仕事の内容をある程度しっている神堂には何となく理解が及んだ。

「斬ってしまったって…どういう事だ?あいつには歩く教会があるんだろう?」

「はい。私もそう思い攻撃したのですが…どうやら彼女の歩く教会は機能していないようです」

 火織の言葉を聞いた神堂は眉を潜める。

 それもそうだ。彼女達が言う歩く教会と言うのは、高い防御力を備えた衣服なのだ。そう簡単に機能しなくなったり壊れたりするものではない。

 今回仕事のために攻撃したであろう火織も歩く教会の存在をしっていた攻撃したのだ。でなければ火織があいつを傷つけるような事を進んでする訳がない。

「…あいつはどれ程の傷を負った?」

「確認していないので分かりません…現在ステイルが回収に向かっています」

 ステイルとは神堂と火織の仲間、つまりこの仕事の仲間でもある。

 神堂はステイルの事を能力的にも仲間としても信頼を置いているが、それでも歩く教会が機能していない、と言う事がどうも頭の中に引っかかっているようだ。

 歩く教会の機能が失われた事の原因を考えるが、情報が少なすぎる今、その答えが出ることはない。


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