フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第四十四話 王の名
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らというもの、いくつもの種族がグランドクエストに挑んだがクリアされたためしはない。今になって王たちの言葉が真実味を帯びてきたんだ。各種族とも王たちに詳細を聞こうとしたが、連絡が返ってくることはなかった」
「・・・・・・」
「これが黎明期の有名な話。今のほとんどのプレイヤーは王の顔すら知らんのよ」
お前みたいにな、と最後にルシフェルは付け加えながら遠い目をして言葉を続けていく。
「今は色々とめんどくさいことになってるが、王がいたころは純粋に楽しかったな」
「・・・・・・それで、王たちの名前は?」
「・・・知ってどうするんだよ」
ソレイユの質問の真意がつかめないルシフェルだが、当の本人は特に気にした様子もなく告げる。
「特に何もないさ。ただ、一応覚えておこうと思ってな」
ソレイユの言葉を訝しむルシフェルだが、直ぐ様無駄だと悟りそれぞれの王の名前を告げていく。
「サラマンダーの王がミレイユ、シルフの王がユリウス、ノームの王がヴィクター、ウンディーネの王がメビウス、インプの王がエレミア、スプリガンの王がレイヴン、ケットシーの王がエリス、プーカの王がリン、レプラコーンの王がアクセル」
「・・・・・・すまん。サラマンダーの王は誰だって?」
「ミレイユ、だ。≪火葬の軍神≫と呼ばれている人でな、刀の二刀流で魔法混じりに闘う魔法剣士であり、奸計にも優れている。サラマンダーが軍のようになってるのはこの人の影響だな」
ルシフェルがサラマンダーの王について詳細を述べていたが、ソレイユの耳には入っていなかった。正直な話、明日奈の件も含めて世界は狭いと感じていたが、どうやらそれ以上に世界は狭かったらしい。
「・・・・・・大体わかった」
「そうか。なら最後に一つだけ言っておく・・・あまりこの事は口にするな。大抵の奴はいい顔しない」
「肝に命じておくよ」
≪種族九王≫に関しての話はこれで終了となった。次の話題は必然的にこれからのこととなる。
「それで、今日はどうするんだ?」
「レプラコーン領にいこうと思うんだ」
「それはまたどうして」
「刀をもう一振り欲しいんだ。ここの鍛冶屋にはないらしいんでな。本職を訪ねることにした」
「まぁ、道理だな。幸いレプラの立ち位置は中立だ。下手なことをしなければ大丈夫だろ」
方針が決まればあとは行動するのみ。二人はカフェテリアを立ち去り、高い塔を目指して足を進める。その途中でルシフェルは思い出したように口を開いたので二人は歩きながら話す。
「そう言えば、ソレイユ。さっきグリモワールについてちょこっと話したな」
「ああ・・・ちょこっとっていうか、あれ意外にグリモワールに
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