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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
番外編 ヒロイン達の想い【前編】
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が罪悪感へと変わっていく。楽園の塔の情報もジェラールに隠蔽されているせいか思った以上に調査が進まない。ルシアも動いてくれているが、あまり芳しくないようだ。



 そんな時だ。ミラとエバーグリーンとカナと一緒に会合が開かれた。それはルシアを共有財産にしようという内容だった。これを聞いたとき様々な感情が駆け巡った。それはルシアを独占できない嫉妬心。これは女の身であれば普通だろう。しかしこの感情と同時に安堵した自分もいた。先を越されずに済むという安心感。私は楽園の塔の事件を解決するまでは恐らく自分の気持ちをルシアに伝えることができそうにもなかった。それ故に、その間に誰かに取られてしまうのではないかという不安もあった。

 ルシアの周りにいる女性は女の私から見ても魅力的な人達ばかりだ。だから、この内容にも割りとすんなり合意できたのかもしれない。勿論反対した者もいた。エバーグリーンは猛烈に反対していたがカナと今や大人しいミラの巧みな言葉によってしぶしぶ納得していた。だけどその内容を聞いていた私も確かにと納得できるようなことばかりだった。

「今はルシアを好きな人は私達だけかもしれない。でもこれから先もそうとは限らないでしょ?」

 このセリフは思わず唸ってしまう言葉だ。確かにルシアは見た目によらず優しいのだ。それが、えと、ギャップだったか。そのギャップにやられてしまう女性も多く出てくるはずだ。いや、もうその毒牙に掛かっている女性も私達が知らないだけでいるかもしれない。そのために私達だけでルシアを独占しようという話だ。恐らくだいたいの女性はルシアの見た目だけで怖くて近寄らないと思う。しかし、稀にごく稀に私達のようにその見た目を気にしなかったり、その見た目の怖さを乗り越えて話をしてしまった場合、これは危険だ。かく言う私も最初は怖かったが話をしていく内にルシアに惹かれていった内の一人だ。特に女性で戦闘するような人物や村娘は要注意だとカナは言っていた。

 戦闘をしていて窮地のときに颯爽と格好良く助けてくれるというのは物語でも有り触れたものだが、いざ自分がその時に助けられたらやはり嬉しいものだし、その人に何かしらの情は抱いてしまうと思う。そして話をしてみれば言葉遣いは荒いが意外と優しい。そんな人に興味を持たないわけがない。こうして考えてみると、もうすでに毒牙に掛かった人はいるだろう。……腹が立ってきた。

 とにかく、そんな人を一人で何とか制御できるわけがない。私が思うにルシアは鈍感ではないと思う。人の悪意に敏感な人間は人の好意にも何かしら感じ入るはずだ。ただ、それが好意だった場合ルシアは自分の勘違いという風に思ってしまう。自分が好かれるはずがない、と……ん?これも鈍感の内に入るのだろうか。私もあまりこの手の話は得意ではないので良く分からない。ま
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