第一章 無印編
第三話 『自身の現状と車椅子の少女との出会い』
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
Side シホ・E・シュバインオーグ
週末の日曜日に桃子さんの付き添いで聖祥に転入試験を受けに入った。
それは別にもう説得されてしまったので構わないのだけれど…。
桃子さん、あなたはこの短期間でどうやって一週間もせずに私の事を紹介したのでしょうか?
…なにか怖い答えが聞けそうなので黙っていることにした。
「それじゃ、私はシホちゃんが試験を受けている間にちょっと用があるからはずさせてもらうわね。お昼前には終わる予定だからそれまでには帰ってくるわ」
「わかりました」
そういって私と桃子さんは別れた。
ちなみに今日、なのはは『月村すずか』という友達の家でもう一人の友達という『アリサ・バニングス』という友達と三人でお楽しみとのこと。
後に紹介してくれるそうだ。
女性の友達というものはもちろん、男性時の友達も少なかった私にとっては実に楽しみである。
そんな懐かしくも浮かれた気持ちながら順に出されていく筆記試験を終え、試験官の先生も驚く中、転入試験はあっという間に終了した。
…いや、なんていうかさすが小学三年生のテストといったところである。
テスト用紙をすべて目を通した瞬間、答えがすぐに解かってしまい楽に終わらす事が出来た。
あまり目立ちたくないのでそこそこ悩む素振りをいれながらやっといた。
その後に面接などもあったが差し違い問題がない程度に受け答えをして終了し、「ありがとうございました」と言って、教室の外に出ると桃子さんが待っていてくれた。
それからは桃子さんと一緒に今日の夕食などはどうするかなど他愛のない話をしながらスーパーに寄ってお買い物をしたりして家に帰った。
「そういえば桃子さん。私が試験を受けている間、どこに行っていたんですか? お買い物をする前からなにか手荷物を持っていましたけど…」
私はお買い物の袋をキッチンスペースまで持っていき、それを下ろしながら聞いてみた。
すると桃子さんは楽しそうに、
「ふふふ…これよ。じゃーん! シホちゃんの聖祥の制服その他のセットよ!」
「え!? もう買っちゃったんですか!」
「ええ。通い始めは合格通知が来ていないからまだだけど着慣れておいたほうがいいでしょ?」
「桃子さん…ありがとうございます!」
私は思わず桃子さんに抱きついてしまった。
…今思い返すと結構恥ずかしいことをしているな、と自覚してしまうのだが、こう本能的?
そういった衝動が勝手に体を動かしている。
今はもう私の体なのに振り回されているなぁ…。
イリヤも母親のアイリスフィールという人に甘えていたのだろうか…?
ともかく、そんな事をしてしまったので余計桃子さんの母性を刺激してしまったらしく逆に思いっきり抱きしめられてしまった。
…大師父、リン、私はもう…もと
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ