第4章 聖痕
第32話 使い魔のルーン
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たと言う事は、今までの例から言うと、最低でもワンペアは出来上がっていると思うのですが。
俺ならば、ワンチャンス・ポーカーでワンペアが出来て居たら、余程、嫌な予感がしない限り勝負を降りる事はしないのですが。
次に、赤き情熱キュルケが、意外に冷静な表情で場に五枚のチップを積み重ねた。
……微妙な雰囲気ですが、これは、モンモランシーは降りて正解だったかも知れませんね。
その理由は、彼女は、口で三味線を弾くタイプのギャンブラーですから。
自らの手札が悪くて、更に、前のプレイヤー。今回で言うならモンモランシーが降りていた場合は、今までの例で言うなら、口で何かを言いながら、場にチップを積み上げるタイプのプレイヤー。
しかし、今回に関しては無駄口の類は一切なし。
今までの例を踏まえると、今回は良い勝負手が出来上がった可能性も有りますが……。
しかし、兵は詭道。それすらも欺瞞工作の可能性有りですか。
「おい、ルイズ。その役でチップを積み上げるのはマズイって」
続いての手番。ピンク色の伝説の魔法使いに対して、伝説の使い魔の才人くんからの忠言。……って言うか、これでルイズの負けは決まりましたか。
「何を言っているのよ。ツェルプストーが勝負を賭けて来たのよ。あたしが引き下がる訳には行かないわ」
しかし、才人からの忠告を一切聞こうとしないルイズが、場に五枚のチップを積み重ねて、コール。
尚、御察しの通り、この娘は、モンモランシーとは正反対。周りの発して居る雰囲気など一切気にする事はなく、ただひたすら突撃を繰り返しては敢え無く玉砕。
まして、ルイズ、才人共に、手札の出来が異常に顔に出易い性格の為、良い役が出来た時には、周りがすべてフォルドして仕舞い得るのは参加料だけ、と言う状態。
正に一人負け状態なのですが、更に、勝負を重ねますか。
もしかすると、不戦敗は、ヴァリエール家では恥となるのでしょうか。
そして、最後にタバサが無言でテーブルの上に5枚のチップを積み上げる。
ふむ。まったく、手札を予想する事が出来ない、見事なポーカー・フェイスです。
彼女の場合は、良い役の時も、悪い役の時もまったく雰囲気が変わる事はなし。
もっとも、完全に気配を断つ事を、流石にカード勝負で行う事は有りませんが。
確かに、戦闘時ならば、彼女は完全に気配を断ち自然と同化する術を心得て居ますし、おそらくはその応用として、自らを律する術も持っているでしょう。
しかし、今はまぁ、単なる娯楽として、軽食……この世界では未だ存在しないサンドイッチと言う食べ物を取りながら、友人達とワイワイと楽しく歓談しながらのゲームですから、其処まで本気に成る必要はないと判断しているのでしょう。
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