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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第32話 使い魔のルーン
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方法は有りません。
 但し、俺の暮らしていた地球世界にならば、この使い魔のルーンに関しては、いくつかの心当たりが有ります。

 ひとつは、ルーン文字や魔法に関係が有って、『生贄に決められしもの』、と言う異名を持った神が北欧神話内に存在している事。
 その神の名はオーディン。
 おそらく、ルーン文字を得る為に、世界樹に吊り下げられた様を表現する異名なのでしょう。

 但し、オーディンの関係の伝承で、両手首に傷が付けられるような伝承に思い当たる話は有りません。
 世界樹に吊るされる為に、手首を括ったと言う傷痕にしては、形が妙な形の傷痕だと思いますし。

 そして、今ひとつは、ナザレのイエス。
 両手首に付いた傷が磔にされた際の釘の後と考えるなら、可能性は有ります。
 まして、彼は、全人類の原罪を背負って十字架に磔にされています。

 もし、次に両足、もしくは左わき腹などに同じような傷痕が付けられた場合、俺の未来は非常に暗いモノとなる可能性が高いでしょう。

 俺の方を、哀しそうな瞳で見つめる我が蒼き主人様(あるじさま)
 ……彼女からは、かなり否定的な雰囲気を発して居るように感じます。確かに、彼女が悔やむのは仕方がないとは思いますが、それでも、これは仕方がないでしょう。

「タバサ。これは不可抗力や。あのランダム召喚ではどうしようもない。まして、未来が気に入らないのなら、変えたら良いだけ」

 出来るだけ深刻に成らないように、気楽な雰囲気でそう口にする俺。

 そして、この台詞も二度目ですか。
 そう思いながら、俺の方を陰の気を発しながら見つめるタバサを見つめ返す俺。

 しかし、この程度の台詞ではタバサの現在(イマ)の雰囲気を変えるには至らない。
 それに、もし逆の立場なら、この程度の気休めのような台詞では、俺の気分も晴れる訳は有りませんか。

 確かに、ルーンを刻んだのはタバサでは有りません。しかし、そのルーンを刻んだ最初の召喚を行ったのは自分だと言う思いは有って当然でしょう。まして、俺がタバサとの契約を結ぶ事を了承した理由も、彼女の方の事情を俺が受け入れた結果だと言う事を彼女は知っています。

 それならば、

「まぁ、誰がそんな適当なルーンを刻んでいるのか知らないけど、それが気に入らないなら、受け入れなかったら良いだけ。運命も未来も気に入らないなら受け入れなければ良い。たったそれだけ」

 おそらく、この世界の神とか呼ばれている存在……使い魔契約システムを作ったブリミル神とか呼ばれているヤツが刻んでいる可能性が高いけど、そんなヤツの思惑通りに動かされる必要は有りません。
 そう言う気分で乗り越えたら良いだけの事です。

 別に神は絶対の存在では有りませんから。何時だって間違
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