第18話 猫神様と黒い魔法使い(2)
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めてないわよっ!」
高町なのはとユーノ・スクライアは目の前で2人の少女と1人の少年がわいわい談笑をしているのを、それは嬉しそうに眺めていた。
(…ねぇ、ユーノ君)
(何、なのは?)
目の前の会話の邪魔をしないためか、なのはは念話でユーノに話しかける。ユーノも念話で返答をすると、彼女はその嬉しそうに緩めた顔を彼に向けた。
(やっぱり、こういうのっていいよね。ジュエルシードの事を考えなくて、ゆっくりできるって)
(うん、そうだね。僕もこの世界に始めてきた時は、こんな事ができるとは思っていなかったよ。魔法を知るのは僕一人だから、僕がどうにかしないと、ってがっちがっちだったよ)
ユーノはなのはへ向けていた顔を、目の前でお菓子談義をしている3人へと、その中で唯一の男子へ向ける。なのはも、ユーノにつられて彼の方を見た。
また何か失言をしたのだろうか、アリサに叩かれ涙目で頭を押さえる純吾。
それを顔を真っ赤にしているが、当然だと言わんばかりに睨みやるアリサに、少しおろおろしながらも、どこか楽しそうに仲介に入るすずか。
(平和だねぇ……)
(平和だよねぇ……)
封印の際は頼もしい事この上ない彼が、こんな時はどうも頼りなく見えてしまう。
けどそんな事はどうでもよくて、むしろそんな彼の一面が見れた事が嬉しい、となのはは思う。
初めて魔法に遭った日、自分の命を助けてくれた彼。そこからなし崩し的に始まるジュエルシードの封印の手伝いも買って出てくれた彼。
そして先週。街の惨状を見て自分の意思がはっきりと分かった時、それを無条件で後押ししてくれると約束してくれた彼。
彼がいなかったら間違いなく自分のジュエルシード封印は困難になっていただろう。
いや、その前に自分の命は最初の日にすでに無かったのかもしれない。
それが、こうして友人達にも理解を得て、また激務の今ではあるがこうして穏やかに過ごせる時間を楽しむ事が出来ている。
だからこそ高町なのはは、どういう流れかすずかに向かって「あーん」している純吾の様子にくすりと笑いながら、心の中で「ありがとう、純吾君」と呟くのだった。
と、その時唐突になのはとユーノに電流が走ったかのような感覚が襲った。
この感覚に慣れていないなのはは慌てて辺りを見渡し、ユーノはその様子をなにか悟ったような、諦めたかのような顔をして見つめ、そして告げる。
(……どうやら、休暇は終わったみたいだよ、なのは)
(ユーノ君…、じゃあ、やっぱり)
(うん、ジュエルシードだ。しかもここからかなり近い所で封印が解けたみたい)
(せっかく皆が楽しんでるのに……)
渋く顔をしかめてなのはは正面を見る。それを心配そ
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