第4章 聖痕
第31話 夢の世界へ
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身体に引っ込めるショゴス(仮)。
それと同時に、こちらも遙か上空の安全圏に退避する。
そして再び、遙か上空の安全圏と思われる場所から、そのショゴスらしき巨大な生命体を睥睨する俺。
これは、かなりマズイ状態です。
今の悲鳴から類推すると、その女性と、あのショゴス(仮)は、ほぼ一体化しているように感じますね。つまり、アイツを傷付けたら、その助け出そうとしている女性を傷付ける事になると言う事です。
何処まで許容範囲が有るのか判らない以上、ウカツな攻撃は、その助けようとする女性の精神を破壊してしまう可能性も有りますね。
更に、漠然とした不安。あの声……あの悲鳴を上げた女性の声は何処かで……。
ええい、迷って居ても話は始まらないか。
先ずは自らに強化を施し、全ての能力の強化を行った上で、再び低空飛行に移る。
すべては、その女性を助け出せば終わる。
そして、こちらも先ほどと同じように触手を伸ばし、俺を取り込もうとするショゴス(仮)。
高速移動によってふたつの触手を振り切り、前後を挟み込もうとした触手を右にスライドするかのような、物理法則を完全に無視した機動でやり過ごし、更にショゴス(仮)に接近する俺。
そう。目指すは、その怪しい突起物の有る先頭部分。その突起が何かが判れば、対処の方法も出て来ると思いますから。
もし、体内に完全に同化されている存在を助け出せと言うのなら、その相手は、俺と強い縁で結ばれた相手で無ければ無理のはずです。
完全に、魂が完全に同化された存在から、目的の人物の魂だけを切り離すには、俺自身が相手の内部に入り込み、俺と縁の繋がった相手を連れ出す方法しか俺は知りませんから。
これは、自らの記憶と縁……因果の糸を利用して、完全に同化した相手の中から、俺の魂と縁に惹かれて集まって来た魂を無理矢理連れ出す、と言うかなり荒っぽい方法に成ります。
もっとも、そんな危険な方法を試した事など有りませんけどね。
多分……。
そんな事が為せるのは、自らの魂がその悪霊と同化される危険性を冒してでも助け出したい相手が居て、その相手の魂も、俺の魂に惹かれて確実に近寄って来る相手で無ければ無理ですから。
双方の魂に、強い想いが無ければ、これは不可能だったと思います。
最後の急上昇から急降下によって、ようやく先頭を覗く事が出来る位置を占める事が出来た。……のですが。
その突起部分は何かの彫像……いや胸像と言うべきか。完璧な質感を表現した精緻な人形を思わせる美貌をこちらに向けていた。
そう。光を浴びると蒼から銀を思わせる癖の無い髪の毛と、白磁と表現すべき肌。眠っているかのようなその表情からは、矢張り普段の彼女の通り、
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