第4章 聖痕
第31話 夢の世界へ
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ャ神話に語られる女神さまですが、元を辿れば、ある世界を創造したエジプトの大地母神に繋がる女神さまでも有ります。そして、ロマ系の方々と言う中にはエジプト系の方々もかなり存在していたように思いますね。
しかし、俺が知っている範囲内では、夜と言う部分ぐらいでしか、彼女と夢に関係性を見出す事は出来ないのですが……。
少し立ち止まって、その黒いローブを纏った女性と、黒い大型犬を見つめながら、記憶を更に掘り返して見る。
しかし、矢張り、思い当たる伝承や昔話はない。
周囲を見回してみても、彼女に続く一本道が存在するだけで、彼女以外に、この夢の世界から脱出する方法に繋がるような雰囲気を発している物は存在せず。
それならば、仕方がないですか。取り敢えず、彼女の話を聞いて見るべきなのでしょう。
何故ならば、彼女からは、現実に其処に存在しているような雰囲気が発せられて居るように、俺は感じていますから。
そう思い、ある程度の覚悟の完了を果たした俺が、再びその女性に向かって進み始める。
ゆっくりと、しかし確実に。
それまでのペースからは幾分ペースを落としたスピードで、時計の秒針が軽く三周は出来るであろう時間を費やした後に、ようやく俺は、十字路に店を出すその女性占い師の正面に立つ事が出来ました。
出来るだけ、普段通りの装いで。
しかし、不意打ちを受けないように緊張をしながら。
そうして……。
「すみませんが、ここが何処で、どうやったら目が覚めるのか教えて頂けないでしょうか」
……と、ゆっくりと尋ねたのでした。
目の前に置かれた水晶玉らしき丸い物体を見つめていた、その占い師の女性が少し俺の方を見上げた。しかし、目深に被ったベールからは、彼女の神秘的な雰囲気が強く感じられるだけで、口元以外、一切見える事は無かったのですが。
「ここは夢の世界。そして、夢から覚める方法は誰でも知っているのでは有りませんか?」
女性占い師が、彼女に相応しい声と雰囲気で、そう答える。
何処かで聞いた事の有る声で。
しかし……。
普段の夢の世界からの帰還はごく自然な形で行われて居て、意識して目覚めるなどと言う事を行った事がないので……。
流石に難しいですか。
「但し、貴方には帰る前に為して貰いたい仕事が有ります」
そんな俺の考えて居る事を知ってか、知らずか。その女性占い師が、俺に対してそう告げて来る。
口元にだけ、ほんの少しの笑みの形を浮かべて。
……って言うか、彼女が出来ない事を、俺が為せるとも思えないのですが。
とある世界を創り上げた大地母神で有る彼女が為せない事を、龍体に変化する事の出来ない半端な龍種の俺に為せる訳がないでしょう。
普通に考え
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