第4章 聖痕
第31話 夢の世界へ
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痛に満ちた叫びが上げられた。
先ほどの歓喜の歌とは違う。それは、呻き。自らの身体より大切な何かを奪われるモノの断末魔の悲鳴。
この世に存在するとは思えない、異世界の絶叫。
泥のような。黒い何かを纏わり付かせ、俺の顔と、そして左腕が先ず夢の世界に脱出。
そして、それに続き、悪夢、もしくは無の世界から、蒼き姫が姿を現し……。
そして、呆気ないほど簡単に、その全身を夢の世界の上空へと踊らせていた。
約束通り、俺と繋いだ左手を離す事なく……。
その一瞬の後、聞こえて来たのはふたつの女声。
ひとつは、俺にタバサの救出を命じた冥府の女神。
そして、もうひとつは、この世界に入って来た当初、俺の少し先を歩んでいた少女の声。
ふたつの声が重なり、呪を唱えるは、凍てつく冬の呪文。
しかし、俺の意識はその瞬間に混濁し、その結果を最後まで見届ける事は叶わなかったのですが……。
いや、最後の瞬間に、繋いだ左手の先に、タバサの…………。
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