閑話3 メイドと死神
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慈は一瞬何かと身構えたが大人しいことに気付くとしゃがみ込み、優しく頭を撫でてやった。
「君は、サラマンダー・・・かな。」
「ギューー」
「君のご主人様は何処にいるの?」
「あら。フレイムが初見の人に懐くなんて」
声がした方を見ると、赤髪でグラマーな生徒、キュルケが立っていた。
「ねえ、ルイズ。貴女、そこらへんにいる平民を連れてきたの?爆発で上手くごまかして」
「違うわよ!!それにアンジはただの平民じゃないわ!!彼は・・・」
ルイズが闇慈を『死神』だと言い切る前に、ルイズの口を慌てて塞ぎ、キュルケに背を向け、小さな声で話しを始めた。
「ちょ、ちょっと!!何するのよ!?」
「ゴメン、ルイズ。僕が死神ってことはしばらく内緒にしてもらえるかな?この事が公になれば大事になりかねない」
「・・・考えてみればそうね。分かったわ」
話が終わると再び、キュルケと向き合った。
「どうしたの?彼は何なの?」
「僕はただの平民ですよ。そしてこの子がサラマンダーだと言うのは本で読んだことがあって、それに当てはめただけですよ」
「そう。やっぱり『ゼロのルイズ』はお似合いよね?」
キュルケがルイズを再び、『ゼロ』と呼び始めたが、闇慈がここで質問する。
「貴女は今、ルイズの事を『ゼロのルイズ』と言いましたよね?」
「ええ。そう言ったわよ?」
「なら。これは何ですか?」
闇慈はルイズを自分の背後に周らせ、自分の左手に刻まれた使い魔の『ルーン』をキュルケに見せた。
「何って・・・使い魔のルーンじゃない。それがどうかしたの?」
「どんな形であれ、ルイズは僕を召喚し、契約を行った。それは・・・魔法を成功させたことじゃないんですか?」
「そ、それは・・・」
「彼女が魔法を成功させた事はこのルーンが何よりの証拠です。これでもう、ルイズのことは『ゼロのルイズ』じゃありませんよ?」
「アンジ・・・」
ルイズは闇慈の言葉が嬉しかったのか、少し顔を赤くし、闇慈の私服を軽く握っていた。
「・・・貴方ってそんな考え方をするのね。気に入ったかも。貴方の名前は?」
「アンジ・・・。アンジ・クロガミです」
「アンジ。変わった名前だけど、顔立ちも綺麗だし、気に入ったわ。何時かゆっくりお話しましょう?」
そう言うとキュルケはフレイムを連れてその場から立ち去った。
「ルイズ?大丈夫」
「ありがとう・・・」
「えっ・・・?」
「私の事庇ってくれたんでしょ?」
「まあ。そんな所かな?でも自分の意見を言っただけだよ?」
「そう。・・・って当然よね。ご主人が危なかったら使い魔として助けるのが当たり前だからね!!」
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