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第二十五話 出会いは突然に?
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人は今、非情な現実を突き付けられている。このままだと和人は心を壊し、自分の殻に閉じこもってしまう」

修也の表情を強張らせた言葉に直葉は顔を顰めて、尋ねる。

「どう言う事なんですか?」

「・・・これから話す事は口外しないように頼む」

直葉の問いに修也は他言無用と言い聞かせると全貌を語り始めた。
明日奈と須郷の事・・・現実における和人の心を蝕む闇を直葉に話すと全貌を聞いた直葉は驚愕の表情をする。

「そんな!!それじゃあお兄ちゃんが!!」

「ああ。このまま言ったら和人の心は一気に壊れてしまうだろうな。だから君にお願いがある!直葉ちゃん!」

修也は今まで直葉に見せてきたチャラ男の表情から一変して、真剣な表情を浮べる和人の親友の顔になった。
直葉も今までに見たことのない修也の真顔に息を飲むと修也の頼みを聞き始めた。

「君が和人の心を支えて欲しい。今彼の心を支える事が出来るのは君だけだ!!頼む!!」

修也は直葉に面と向き合い、頭を下げた。
直葉もここまでの経緯を聞くと断る理由はなかったが修也の親友を思う心に了承するしかなかった。

「分かりました。私もお兄ちゃんの事を放って置く事は出来ませんし、お兄ちゃんの親友の頼みなら断れません」

「そうか!ありがとな!!」

その後はお互いの愚痴などの他愛ない会話を楽しんだそうだ。直葉も初めは修也と会話するのが緊張するのか少し堅くなっていたが会話をしている間にその緊張も解れ、笑顔を見せながら会話を楽しむ事が出来た。

(修也さんってお兄ちゃんとは違う不思議な人だなぁ。でも話していると私も楽しくなってくる)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

喫茶店での一時を楽しんだ修也は直葉と別れ、実家に戻って来ると自分のベッドに倒れこむ。
もしも何かあった時や暇になった時に電話したりしてくれると嬉しいと修也は自分の携帯の番号とアドレスを直葉に渡した。勿論喫茶店の代金は修也が全部払った。


「それにしても直葉ちゃんか・・・素直で良い娘だったな。ある意味俺の好みにドンピシャだったな」

修也はあの時見ていた直葉の言動と笑顔を思い出しながら、フッと笑みを零した。そんな時自分のPCにメールが届いている事に気付くとそれを開く。

「差出人は・・・エギル?『Look at this』・・・これを見ろ?」

修也はメールに付いていた画像を開いた途端、眼を見開いた。
そこには大きな鳥篭の中に一人の女の子が座っている画像だった。そしてその女の子は・・・

「あ、明日奈!?」

自分の妹で未だにリアルに還ってこない明日奈だった。

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