後日談7 球技大会(中編)
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いや、スポーツマンとして道具を大事にしない奴はスポーツをやる必要ない」
そうだ、僕は投げることに精一杯でみんなの事を見てなかった………
プロ野球選手だってみんな道具を大事にしている。
「………ごめんなさい」
レイに謝った後、僕のグラブを見ると、グラブは叩きつけた時に付いた砂で白くなっていた………
「ごめんね………」
試合が終わったら綺麗にしてあげるからね………
「桐谷、駄目だったな………」
「ああ、上手く内部分裂するかと思ったけど………」
結局点も入らず、相手を勢いづけるきっかけを与えてしまった………
これは不味いな………
「神田、気を引き締めて行けよ。相手は勢いに乗ると止まらなくなるぞ」
「ああ、分かってる」
野球部のエースなだけに、負けん気はあるだろう。
だが、果たして勢いを止められるか………
「ここは正念場だな………」
さて、その次の攻撃は相手ピッチャーの気迫に押され、フェリアがヒットで出ただけで終わってしまった。
「みんな、良いの………?」
「やっぱりA組のエースはライちゃんやからな」
「我も1人でやるような事が無ければ文句は無い」
「俺は実はキャッチャーなんてやったこと無くてさ………零治が抑えて投げてくれたおかげで何とか出来たけど………」
「それにライちゃんの方が華があるしね」
「坂巻〜!!良介がナンパを…「してないしてない!!」」
「だが、今度はしっかりと周りを見てな」
「みんな………レイ、僕は………」
「行こうぜライ。今度は皆で勝つぞ」
「………うん!!」
元気よく走り出すライ。
もうこれなら心配無いだろう。
「よし、行こうみんな!!」
そう言って俺達は走りだした………
その回のライは前のライとは全く違っていた。
みんなに声を掛け、ミスがあってもドンマイと気にせず、集中する。
また一つ大人になれたなライ………
「1アウト〜!」
ランナーを2塁に置いても元気よく、みんなに声を掛けるライ。
チーム全体の雰囲気も良い。
「全く………内で勝手に崩れるかと思ったが、逆効果だったな………」
「桐谷にしては珍しいな、こんな手で来るなんて」
「勝つには自滅してもらうしか無かったからな。お前もいて、ライがいて、野球部キャプテンの小林がいて………戦力的にはこっちが不利だからな」
「残念だったな」
「ああ。………だが、このチャンス、必ずものにさせてもらう!!」
そう言って構える桐谷。
時間的にもこの回で終わる可能性が高い。
ならここで桐谷を抑えれば、勝
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