後日談7 球技大会(中編)
[4/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
取って投げた。
タイミングは微妙だけど………
「アウト!!」
「よしっ!!」
「ナイスや野中君!!」
「やるではないか!」
「ナイスサード!」
「1アウト!!」
レイの掛け声に守っているみんなの声が重なる。
みんな生き生きとしている………
僕の時とは大違いだ………
「ライ、1アウト」
「う、うん、1アウト」
フェリアの確認を私も復唱する。
カン!
今度はバットの先に当たった打球。
だけどボールの上を叩いたのかバウンドが高い。
しかも深く守っていたはやての方に転がる。
「駄目だはやて、投げるな!」
レイの指示を受け、はやてはボールを投げるのを諦めた。
「くっ、スタート遅れてしもうた………」
「いや、仕方がないよ今の打球なら」
完全に打ち取った打球だったのに………
でもレイは全然怒ってなかった。
僕とはやっぱり違う………
そして、1アウト満塁。
レイ、本気で投げれば抑えられるのに何で本気で投げないの………?
カーン!!
打球が僕の方にフライが飛んできた。
3塁ランナーがタッチアップしようと構えてる。
ここで僕がランナーを刺せばダブルプレーでチェンジだ。
「ライ………」
フェリアが心配そうに僕の後ろにカバーに入った。
「GO!!」
僕がフライを取った瞬間に相手ベンチの声と共にスタート。
「行けええええ!!」
僕も負けじとバックホームにボールを投げる。
タイミングは悪くない、後は小林次第。
「……………アウト!!」
ワアアアアアア!!!とギャラリーからも歓声が湧いた。
「ナイスだライ!!」
真っ先に声をかけてくれたのはフェリア。
僕の頭をポンポン叩いて褒めてくれる。
「ライちゃん、ナイスボールや!!本当に助かったで!!」
「ああ、ナイスボールだったぞライ」
はやてと夜美も僕を迎えてくれる。
「ふぅ………間一髪だった………」
「お疲れ圭。それに凄かったよライちゃん」
中島と小林も同様に僕の事を迎えてくれた。
こんなの今まで味わった事の無い………
「ライ」
そんな中、レイが私に声をかけてきた。
………まだ怒ってるのかな?
もしかして嫌われちゃったかな………?
「どうだ?みんなに迎えられるのは?」
「えっ!?」
「どんな気持ちだ?」
「………嬉しかった。心からみんなの為に役に立てたって思えた」
「そうだよな。………ライ、俺が許せなかったのは2つ。1つは自分のおかげでチームは成り立ってるんだって言う勘違いで、周りが見えなくなっていたこと。2つ目は道具を大事にしなかった事。野球をやってる者として………
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ