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戦国異伝
第三十七話 二つの砦その二
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それを見てだ。林が主に言うのであった。
「篭城ですかそれともうって出られるのか」
「ふむ。どちらにするかじゃな」
「何もしないのが一番いけません」
「何じゃ、新五郎よ」
 信長は林の今の言葉を聞いてだ。目を丸くさせて言うのだった。
「御主爺になったのか」
「どういう意味でございますか」
「だからじゃ。その言い方がそのまま爺じゃ」
 それでだというのだ。平手だとだ。
「似てきたのか」
「流石にあそこまで口煩くはありませんが」
 林は眉を顰めさせて信長に返した。
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