後日談3 生徒会選挙、会長の思い
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さて、あっという間に時間は過ぎ、とうとう演説の日がやって来た。
その後も結局俺以外の立候補者は出ず、俺だけが会長に立候補という形になった。
ただ、先生達の提案で俺が会長に相応しいかどうか、全校生徒の前で演説し、それから投票で6割取れれば決定という形になった。
「………ふう」
「流石に緊張してる?」
「ええまあ。人の前に立つのは慣れないので」
今俺は講堂のステージ裏にいる。
今までとは違い、今回は体育館ではなく、講堂を使っていたりする所が更に緊張させている。
『それでは生徒会会長立候補、有栖零治君の演説です』
「じゃあ行ってきます会長」
「ええ、頑張ってね零治君」
先輩に見送られ、俺はステージへ向かった。
パチパチパチパチ!!!
俺が出てくると一斉に拍手が巻き起こる。
大きな拍手に迎えられ俺はステージ中央のマイクへ向かった。
体育館でやったときよりも景色が違う。
………呑まれるな零治。
そう自分に問いかけ、マイクの前に立つ。
『この度、生徒会会長に立候補した有栖零治です』
そう言うと生徒から歓声があがる。
『あんまり丁寧な言葉を使うのは苦手なので、ここまでとさせていただきます』
批判はあるだろうが、自分のやりやすいスタイルでやらせてもらう。
『取り敢えずみんなに言いたいのは1つだけ。なあみんな、今年の行事は楽しかったか?』
そう問いかけると楽しかったー!と答えてくれる生徒が。
ノリかもしれんがありがたい。
『そうだよな、俺もとても楽しかった。これも全部前会長、水無月会長のおかげだ』
そう言うとまた歓声が上がった。
『だが、去年は逆に学業優先として行事が減らされたらしい。………らしいと言うのは俺が真面目に行事に参加してないから把握してなかったんだが………』
そう言うと一部の生徒から「不良が生徒会長やるのか!!」なんて声が上がってきた。
………まあサボっていたのは事実だし、そこは否定しないが不良は無いだろう。
『だが、そんな俺でも今年は学校行事にも率先して参加するようになったし、皆も去年よりも断然楽しかったろ?』
そんな俺の言葉に否定の声は無い。
『そんな学校にしてくれたのは水無月会長であり、俺に学校を楽しくさせてくれたのも会長だ』
まあ星達も一緒に学校に来れるようになった事もあったり、桐谷や加奈が転生してきたりと色んな理由はあったが、会長のおかげで随分と変わった中学生活を過ごせた。
良くも悪くも結果的には楽しめたし、相談事にも乗ってくれた会長には感謝してる。
『そんな会長に俺は心から感謝してるし、会長のやって来た事を引き継いで行きたい。それ
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