後日談1 加奈の決意
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「はあ………」
暗い自室でベットで毛布にくるまり、何度も繰り返し溜め息を漏らし続ける。
「私、振られたのよね………」
もう流す涙も無くなった。
実際私なんかよりも星達から強い絆を感じていたし、兄さんも彼女達の事が好きなのではないかとは感じた事がある。
星達に何かあると人が変わるもの………
でも、それでも私は兄さんが好きだった。
「佐藤孝介じゃない、有栖零治だ……か」
その言葉が一番私の心に突き刺さった。
私が好きだった兄さんは今の兄さんなのか?
確かに名前が違うだけで同一人物ではある。だけど確かに前と今とでは違う所があると思ったときは度々あった………
第一に思ったのは極端な程の家族愛。
「あんなに家族を大事にする人じゃなかったんだけどな………」
自分の事よりも優先して家族の方に………
前の兄さんだと考えられない。
だってそんな姿を見せたことがなかった………
確かに私の為に動いてはくれた。だけど今の兄さんは前以上に一生懸命だ。
「それもこれもこっちに転生してきたときからの生活が原因なのよね………」
兄さんが先輩と呼ぶウォーレンさん。その人が一人ぼっちだった兄さんを救い、ウォーレンさんが亡くなって自暴自棄になってた兄さんを救ったのがあの3人。
「ははっ、勝てるわけ無いじゃない………」
本当に………
せめてウォーレンさんが亡くなった時に私が側に居たら………
「本当に、割り合わないわね………」
そう呟いて、私は眼を閉じた………
「本当ですか、隊長!?」
「ああ、正式に発表するのは今の復旧作業が終わってからだろうが、俺達も鼻が高いよ」
スカリエッティのアジトから本局武装隊の隊舎に行き、そのまま隊長の部屋に行くと、早々にとんでもない事が告げられた。
「俺がエース・オブ・エース………」
実際なら高町なのはが受け継ぐはずの称号。
何で俺が………
ましてやバルトマン捕獲にも失敗しているのに………
「何だよ、もっと喜べ!!」
「ですけど、俺はバルトマン捕獲に失敗しているんですよ?」
「だが、あのバルトマンを退かせただけでも充分だ。それに上の話だと、本局を守った功績も評価してくれてるみたいだ!!」
オメガブラスターの事か………
「近いうちに授賞式もあるらしいからそのつもりでな。今日は疲れたろ、ゆっくり休め」
「はい………」
そう言われ、俺は渋々隊長室を出た………
「はぁ………」
一日休んだ次の日。
学校にやって来た俺は、目の前に零治ファミリーがいることに気が付いた。
一昨日のエース・オブ・エースの件を一応報告す
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ