第92話 ウォーレンの贈り物
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「イクス………」
「お母………様」
苦しそうにしながらイクスヴェリアはシャイデを見て呼ぶ。
「ごめんね、ずっと辛い思いをさせてきて………今解放してあげるから」
そう言ってシャイデはイクスヴェリアの首輪を見る。
クレインが直接改造している所は見たことが無いが、新たに取り付けた首輪が原因だって事は分かっていた。
「ハンニバル、解析をお願い」
魔力の糸を伸ばし、解析を始めるシャイデ。
暫くして、シャイデの指が止まった。
「そ……んな………」
「どうした!?」
相手を吹き飛ばし、大声で聞くゼスト。
「洗脳を解く手立てが無いの!!この首輪はクレインの指示を直接送るための物なのよ!!」
驚愕の事実に驚く一同。
「一体どうすれば良いのよ!!」
その場で座り込むシャイデ。
そんな様子を見ていたイクスヴェリアが口を開いた。
「お……母様」
「イクス!?」
「私を………殺してください」
「な、何を!?」
「このままでは………私は………大量の人を……殺してしまう………そうなる前にいっそ………」
「バカな事言わないで!!あなたには何の罪も無いのに………」
「いいえ………この力が……行けないんです……この力はみんなを……不幸にします……」
「イクス………」
「あの時、長い眠りに………つくのではなく……私は死ぬべきだったんです………」
「そんなこと無い、そんなこと!!」
「お母様は優しい人です………本当の娘でも無い……私…にも……優しく……してくれた………」
「イクス………」
涙を流しながら何も出来ない自分に情けなく思い拳を握りしめる。
「私は……目覚めてよかった………お母様に……会えて………だから………」
苦しそうに、辛そうに、イクスは言葉を続け、
「お母様、私を………殺してください………」
イクスは最後にそう言った。
「ウォーレン、私はどうすれば良いの………?」
そんなシャイデの言葉が虚しく溢れた………
「桐谷」
「零治!!いつまで休む気だよ全く………」
「大丈夫か桐谷?」
現在神崎がバルトマンと戦闘中。
その内に俺、アギト、加奈が桐谷の所へ向かった。
「聖なる光よここに………ハートレスサークル」
加奈の魔法で桐谷の体のダメージが抜けていく。
ただし装甲は直ることがなくそのままである。
「サンキュ、加奈」
「今の私に出来るのはこれくらいだから………悔しいけど相手が速すぎて簡単にバインドで捕らえられそうに無いし………」
申し訳なさそうに言う加奈に零治が近づき声をかけた。
「いや、助かってるよ。加奈が居てくれるだけで
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