第92話 ウォーレンの贈り物
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先輩に声をかけられ俺は先輩を見る。
「………何ですか?」
「お前に奇跡を起こしてやる。ただし今回限りの一回だ、次は無いぞ」
そう言って俺の肩に触れる先輩。
そして目を瞑り、集中し始めた。
「先輩何を………?」
「スキル発動、『ギフト』俺の命を零治に………」
そう言うと先輩の体から青い固まりみたいなのが俺に移る。
その途端、意識が薄くなってきた。
「先………輩?」
「俺のレアスキル。自身の魂を相手に移し、相手を蘇生させる。例え自分の肉体が無くなっていても対象の肉体さえ残ってれば蘇生させられる。ただし、俺の存在が完全に消え去るけどな………後は自身の自己修復能力になるだろう」
「そんな………だけどそれって………」
「俺はここで生まれ変わらず完全に消え去る」
「何で………何で………!!」
どんどん薄れていく意識から何とか怒るが当の本人はケラケラと笑っている。
「何でって当たり前だろ?お前は俺の最高の相棒にして最初で最後の息子なんだぜ?」
「俺は………先輩に何も………」
「親孝行なら絶対にハッピーエンドで終われ。誰一人失うな。そして………」
もう目が見えない。先輩の声だけしか聞こえない。
先輩………先輩………嫌だ………
「幸せになれ、みんなでそれが最高の………」
そこまで聞いて零治の意識は完全に失った。
「くっ………」
シャイデはもうコアの部分まで到達していた。しかしチャンスは一度だと言うことと、失敗すればイクスを殺してしまうと言うことで最後の一歩が踏み出せずにいた。
「きゃ!?」
そしてマリアージュとブラックサレナの攻撃がシャイデの方に来始めていた。
「もう行くしか………」
そう思い覚悟を決めた時だった。
『力を抜けよシャイデ、お前なら出来るよ』
「えっ!?ウォーレン………?」
しかし振り返っても近くに居るのイクスだけ、近くではスカリエッティがマリアージュ達を足止めしていた。
「………ありがとうウォーレン。あなたはいつでも見守ってくれたのね………私やるわ、見ててウォーレン」
そう言ってシャイデは魔力を流した。
「兄さん………?」
いきなり光に包まれたかと思えば傷がみるみるうちに修復されていく。
そして完全に治ると零治が目を覚ました。
「………ここは?」
「兄さん!!」
目を覚ました零治に加奈が抱きつく。
「加奈?」
「うん、うん!!」
「そうか………俺は生き返ったんだな………先輩………」
そう呟いて空を見る。
今、空ではバルトマンと優理、桐谷が戦っている。
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