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戦国異伝
第三十一話 尾張への帰り道その十
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のがあれじゃし」
 このことはあまりにも有名になっていることだった。今川家でもだ。
「あえて多くは言わぬが」
「左様ですか」
 実の父であり今川の主だ。それで言える筈がなかった。
 しかしだ。これが今川にとっては痛いところだった。
 だがそれでもだった。戦がだ。
 はじまろうとしていた。そのことはだ。最早彼等の方でも止まらなかった。


第三十一話   完


               2011・3・9
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