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戦国異伝
第三十一話 尾張への帰り道その一
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ておるわ」
「そういえば又左もそろそろ」
「そうじゃ。尾張に帰れば結納じゃ」
 そうなるというのである。つまり妻を迎えるということだ。
「ねねとのう」
「そうか。いよいよ又左も所帯を持つか」
「尾張でも名うての暴れ者がのう」
「遂にか」
「ははは、ねねは昔から知っておる者同士じゃ」
 ここでまた笑って話す前田だった。そのことに対してである。彼は実に上機嫌なものを見せるのだった。それが顔にも出ている。
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