第三話 元服その十三
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「天下に名前を轟かせるには」
「ではいいのだな」
「はい」
満足した笑みでの返事だった。
「ではこれよりは」
「そうだ、織田信長だ」
「この名前を必ず天下に轟かせましょう」
こう父に答えるのだった。彼は本気で言っていた。
そうしてそのうえで。周りにも告げた。
「我が名はこれより織田信長だ」
「信長様ですか」
「それが御名前なのですね」
「そうだ、覚えておくことだ」
こう家臣達にも話す。
「この名前をな」
「わかりました。それでは」
「これからも宜しく御願いします」
「ではだ。まずはこの尾張だ」
今彼等がいるその国のことだった。
「そしてそれからだ」
「それから、ですか」
「この尾張だけではなく、ですか」
「そうだ、見ておくのだ」
信長となってだ。彼は何かを背負っていた。人の目では見ることはできないものだがそれでもだ。そこには確かに背負うものがあった。
「わしのこれからをな」
「それでは」
「我等も共に」
吉法師は織田信長となった。この時彼は十四歳であった。そうしてこれが。彼のはじまりであった。
第三話 完
2010・7・28
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