第18話
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「死ね。」
傷もなく、出血もなく、病気ですらもありえない。
まるで電池を抜かれたかのように、人間で言うなら魂が抜けたかのように後ろに向かって、仰向けに倒れてゆく。
だが、地面に倒れる前に麻生がその身体を抱き留め、左手を姫神のでこに当てて目を瞑る。
すると小さくだが呼吸をし始め、姫神はゆっくりと眼を開ける。
「危なかったな。
さすがに死んでしまったら俺も救う事が出来なかった。」
「ど・・して・・・」
「さっきも言ったが俺はお前を助け出してくれと頼まれてきたんだ。
それなのにお前が死んだらその頼みが達成できないだろ。」
そう言って麻生は右手で姫神の眼の上に重ねる。
「寝てろ、起こさないから。」
聞こえた姫神は小さく笑うとそのまま静かに眠り始める。
幻想殺しの力で重量の拘束から逃れた上条は麻生と姫神に近づく。
「当麻、彼女を頼んだ。
俺はあの男を倒す、あの男を何とかしないと此処から帰れなさそうだしな。」
姫神を上条に預けると上条は一瞬驚いたが、姫神を壁際まで運ぶとそれを守るかのように姫神の前に立つ。
「我が金色の練成で確かに姫外秋沙の死は確定した。
何だ、貴様は。」
「さっきも言っただろう、通りすがりの一般人Aだ。」
距離は約一〇メートル。
麻生の身体能力ならすぐに埋められる距離だが麻生よりも早くアウレオルスの言葉が早い。
「窒息せよ。」
アウレオルスはそう言葉を告げるが麻生には何も変化がない。
「どうやら今度は俺自身に干渉してきたようだが残念だったな。
俺は自身に干渉する能力などは俺が了承しない限り通る事はない。」
先ほどの重力の拘束は間には魔術が入っていたから麻生を拘束することが出来た。
アウレオルスは麻生にそう言った言葉が通じないと分かるとすぐに言葉を変えてくる。
「感電死。」
瞬間、麻生の周りに青白い電撃が麻生を取り囲み襲いかかる。
だが、電撃を受けても麻生には平然と立っていた。
空間の壁で電撃を防いだのだ。
「絞殺。」
床から何本の縄が麻生の首をがんじがらめに縛りつけるが麻生に巻きついた瞬間、その縄が一斉に燃え尽きる。
アウレオルスは眉をひそめながら首筋に針を突き刺しその針を投げ捨てる。
「圧殺。」
麻生の頭上に錆びた車が出現し降ってくるがいつの間にか持っていたサバイバルナイフで真っ二つに切り裂く。
「ふむ。」
様々な言葉を告げるがどれも不発に終わるがアウレオルスは余裕の表情をしていた。
対する麻生も距離を詰める事はせずアウレオルスを観察しているようだ。
「それは黄金練成だな。」
「気づいたか。
さして驚いて
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