暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝
第二十八話 都にてその三

[8]前話 [2]次話

 その数についてだ。信長はさらに話していく。
「尾張の兵が弱くともじゃ」
「数があればですな」
「強兵にも対することができる」
「そういう意味もござるか」
「そうじゃ。何はともあれ数じゃ」
 それが一番大事だというのであった。
「数は力じゃからな」
「ではこれからさらに力をつけ」
「数を増やし」
「そうして武田や上杉に対する」
「そういうことでござるか」
「左様じゃ。そしてじゃ」
 兵の数の次はであった。
「将じゃが」
「あの武田信玄に上杉謙信」
「それに対するのですな」
「わしはやる」
 今度はだった。信長はその覚悟を見せたのであった。
「あの二人よりさらに上になるぞ」
「あの二人を超えると」
「そう仰いますか」
「そうじゃ。蛟はやがて空に昇るものじゃ」
 己の仇名をだ。自ら言ってみせたのだった。
「そしてそのうえでじゃ」
「将としても超える」
「そうされますか」
「そのつもりじゃ。してじゃ」
 彼だけではなかった。さらに言うのであった。
「御主達もじゃ」
「我等もですか」
「超えよと」
「さらに上を目指せと仰るのですか」
「武田の二十四将も上杉の二十五将もじゃ」
 どちらもだというのである。その両家の誇る将達をだというのだ。
「超えてもらう。そしてそなた等ならできる」
「我等ならと仰いますか」
「あの者達を超えられる」
「そう」
「そうじゃ。わしが見込んだ者じゃぞ」
 彼等を見ての言葉だった。
「そこまでなれる、絶対にな」
「なれますか」
「我等も」
「そこまで」
「そうじゃ。なれる」
 また話す信長だった。
「だから安心せよ」
「してですか」
「その兵と我等であの両家に向かう」
「その時はでござるな」
「そうじゃ。ただしそれでも足りん」
 信長は先程の話の続きをした。
「両家の武器である馬もな」
「それもでございますか」
「馬をどう封じるか」
「それもでございますか」
「他にも足軽も止めねばならんがな」
 まずはその馬だというのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ